康定の記事もこれで最終回。
次回からは、バスに乗りさらに東チベットの奥地「甘孜」の街に移動した時の様子をお伝えしたいと思います。
ということで、「康定」の締めくくりとして、観光スポットや見どころなどをまとめた記事を作りました。
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康定ってどんな町?
成都からバスで約5〜6時間、東チベットの入り口にある町です。
中国人の人口が多いため、また東チベット最大の都市なので、町自体のチベット感はやや薄めに感じます。なので、チベットに限らず、今まで世界中の絶景や僻地を味わってきた「バックパッカーさん」には、魅力は薄いかもしれません。
逆に、ほどよく整った街なので、今回の私のように「一般旅行さん」としては過ごしやすく、充分楽しめるかと思います。
1.ほどよく都会
インフラがかなり整っているため、この街に3泊してみて不便に感じたことは何もありませんでした。
町のいたるところには値札つき販売の小型スーパーがあり、食料品や雑貨まで価格交渉なしで購入できます。
ホテルの選択肢も豊富で、安宿・ユース・ゲストハウス・中級ホテル・準高級ホテルまで一通り揃っているので、自分たちのスタイルに合わせて宿をチョイスできます。
市街地は路線バスが走り、主要な見どころには全てバスでアクセス可能。
また飲食店も多く、四川料理や火鍋などのレストラン、担々麺や麻婆豆腐、回鍋肉などを提供している食堂はどこにでもあります。逆にチベット料理店はあることはあるのですが、地元向けというよりは観光向けのお店が何店かある程度。
カフェなども数多くあり、シティー派の旅行者が快適に過ごす要素は揃っています。
2.成都から比較的近い
成都のバスターミナルから約5〜6時間で到着でき、早朝から午後3時過ぎまで本数も多く運行しているため、東チベットの町としては一番行きやすいです。
2+1シートのVIPバスは快適そのもの。最近は高速道路の延伸部分も開通し、2019年春までには康定インターまで延伸されるとの事。
また、成都からの乗合タクシー(バン)、東チベット各地へのバスやバンも多く、都市間移動に困ることはないでしょう。
3.ちょっと足を伸ばせばチベット寺院や温泉もある
街がギュッとコンパクトにまとまっているので、ちょっと足を伸ばせば本格的なチベット寺院を訪れたり、温泉に浸かりながらゆっくりしたりと、それなりに楽しみ方・見どころはあります。
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4.東チベット各地への中継地
康定からは、ここから先の東チベット各地方面、「甘孜」「色達」「塔公」「理塘」「炉霍」「丹巴」などの町へ向かうバスや乗合タクシー(バン)が発着します。
それらに向かうバスのほとんどは早朝6時〜7時ごろに発車するので、スケジュール上どうしても康定で1泊はする必要があります。
また、康定は標高2400m前後と、高山病予防として体を慣らすには最適な環境です。
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康定の町の特徴として、これらのことが挙げられます。
よって、短期の一般旅行さんや、シティー派旅行さんはグルメ巡りや観光してもよし、秘境好きのバックパッカーさんは中継地・休息地としての滞在価値があります。
康定の見どころ・観光スポットガイド8選
私が実際に康定を訪れて、気に入った場所などを地図と写真付きでまとめました。
中国はGoogleの対応エリア外なので、Googleマップは古いまま更新されず、GPSも誤作動してしまいます。なので掲載した地図はあくまでも参考程度(スポットの場所は正しく合わせておきました)でお願いします。
またネット規制があるため、GoogleやFacebook、Lineなどは使用できません。これを回避するにはVPNを契約するか、香港やタイの通信会社が発行する「ローミングSIM」を事前に用意する必要があります。
そして渡航前に「百度地図」をダウンロードしておくことをおすすめします!
1.葛大山の石像
長距離バスターミナルから康定市街地に入ってすぐ、向陽橋(向阳桥)停留所の近くにある岩山には、チベット仏教の象徴でもある石像が多数掘られています。
市街中心地の一番端に位置するため、また分かりやすいのでこの岩山の付近をスタート地点として町歩きをするのがおすすめです。
夕方以降はライトアップされて、川の流れる音と合まってとても良い雰囲気になります。
2.康定情歌広場・水井子像
水の神様の象徴として設置された水井子像。先ほどの石像群から徒歩10分とかからずに到達できます。
また、その手前にある「背水姑娘像」前の広場はベンチが置かれていて、町の住民の休憩スペースとなっています。
同じく、夜はライトアップされている点は中国スタイル。ちょっとギラギラすぎる気もしますが、これはこれで良しとしましょう・・。
川を反対側に渡ると、そこには「康巴文化艺术中心」ビルがあり、その前にある「康定情歌広場」では、毎晩大音量でチベットソングが流れ、住民が集まってきて輪になりチベットダンスを始めます。
ビールを片手にベンチに腰をかけ、普段は聞きなれない民族的な音楽に耳を傾けながら、異国情緒に酔いしれる夜なんていかがでしょう。
3.新市后街(グルメ通り)
市街地の一本裏にある通り「新市后街」は、地元の庶民が通う「美味しい食堂」が立ち並ぶグルメ通りとして賑わいを見せています。
この通りにある「老七面館」は、味にうるさい長距離バスの運転手さんが勤務明けに訪れるという、現地漢族オススメの麺食堂。
4.西大街裏通り(グルメ通り)
康定もう1つのグルメ通りとして賑わうのが、こちら「西大街」の裏通り。
夕方くらいからオープンする火鍋店や、串焼きのお店、麺食堂などが軒を連ね、地元の庶民たちが通う人気店が立ち並んでいます。
先ほどの「康定情歌広場」の裏にある路地から、100mほど奥に入った場所にあります。
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ここまでは、市街地に到着後、徒歩で全て回れる範囲になります。
ここから後に紹介するスポットは「路線バス」または「タクシー」を利用してアクセスする見どころになります。
5.跑馬山公園(康定跑马山风景区)
路線バスの1・2路どちらかに乗り、市街の中心部から約15分。
「公主橋(公主桥)」停留所で下車したら左方向にあるロープウェイ乗り場。
山の中腹までこのロープウェイで登ることができ、そこから先は軽いハイキング気分。
山頂には康定の街を見下ろせる展望台があるようです。(同行した嫁さんの「高所恐怖症」により、残念ながら行けませんでした・・)
山の中にいくつかのチベット寺院があるようです。興味があればぜひ行ってみてください!
(入場料+ロープウェイ代がかかります)
6.南無寺(南无寺)
先ほどの「跑馬山公園」ロープウェイ乗り場から徒歩で15分程度の距離にあるのが、このチベット寺院「南無寺」。
よくある観光スポットのような「見せ物」ではなく、地元のチベット人に愛される寺院として、毎日多くの参拝者を受け入れています。
細部までこだわって、1つ1つ手作りで製作されたチベット伝統の装飾は美しく、機械製造の工業製品とは全く違った輝きを魅せてくれます。
静かに、そして荘厳にそびえ立つ寺院の姿は一見の価値あり。
入場料は無料です。
お気持ち程度「お布施」のような形で、参拝後本堂にある箱の中に入れてきましょう。本堂の内部は撮影禁止なのでご注意ください。
(本堂の外観・本堂以外の建物は撮影可能です。ただし僧侶の家(僧坊)なので節度を持った撮影をお願いします。)
7.金剛寺(金刚寺)
康定にあるもう1つのチベット寺院がこちら「金剛寺」。先ほどの「南無寺」から徒歩10分程度でアクセスできるので、「跑馬山公園」「南無寺」と合わせて3か所セットで回るのが効率的です。
南無寺と同様、テーマパーク的な寺院ではなく、きちんとした現地チベット人向けの寺院です。
当然チベット仏教には欠かせない「マニ車」も備え付けられていて、一般人も一緒に回すことができます。その際は「時計回り」に回すというルールになっていますので、お気をつけて・・。
こちらも入場料は無料です。
本堂の内部は、同じく撮影禁止になっていますのでご注意ください。
8.二道橋温泉(二道桥温泉)
康定の市街地から、北方向に向かって約4キロ離れたところにある二道橋温泉。
日帰りの個室風呂(家族利用可)となっていて、気軽に炭酸硫黄泉の乳白色の湯が楽しめます。
以前はあまり衛生的でなかったとのことでしたが、数ヶ月前にリニューアルされていて綺麗になっていました。
アクセスは、タクシー(運賃約15元)のほか、格安の送迎バス(運賃1元)も利用可能。
日本の温泉のような高級感や、風情などはほぼありませんが、異国の温泉にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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1〜4までのスポットは、町歩きとして1日。5〜8のスポットは、1日かけてバスをうまく活用して、最後はタクシーで戻るというのが一番ベストな回り方かと思います。
計2日あればほぼ全ての見どころスポットを回ることができますが、更にグルメ巡りやカフェ巡りなどが好きな人は、もう2日くらいあるとゆっくりできるかと思います。
私たちは3泊の滞在でしたが、次回行く機会があれば「温泉+グルメ巡り」として4泊くらいしたいと考えています。
実際はこの先の「甘孜」の方がチベット色が濃いため、またアチェンガルゴンパなど郊外の見どころも多いので、本気のチベットを求めるならば「甘孜」に向かう方が断然良いです。
ただし、康定からバスで更に10時間近くかかるという僻地になるので、「時間があまりない」「健康・体力上の不安がある」または「チベットの雰囲気だけで良い」人ならば康定でゆっくりというのもありだと思います。
要は、何をどれくらい求めるのか「人」しだいということです。
例えばですが、関東在住の人が、古都に行きたいけど「京都」は遠いから、1時間で行ける「鎌倉」にしよう!というのに似ているかと思います。(横浜在住の、私の家族はそんな感じでした。)
なので、まずは記事を読んで「康定」がどういう街かを知ってもらい、実際の旅行の計画に役立ててもらえればと思います。
まとめ
今回は、康定記事の最終回として、康定の見どころ・観光スポットについてまとめました。
見どころがギュッと詰まっていて、交通アクセスも良く、観光にも町歩きにも便利なので、短期の一般旅行さんや家族づれさんが、チベットの雰囲気を感じるのには最適な街だと思います。
また、バックパッカーさんは、これから訪れる予定である、本気の「東チベット」に向けて体を慣らす、または東チベット旅の終わり、もしくは中継時に「都会」を感じるのに最適な街です。
(私は数年前までバックパッカー・放浪を経て、今は一般旅行者と両方経験しているため、それぞれの需要・そして視点が分かります。)
東チベット旅の参考に、そして「奥地まで行くのはちょっと無理だけど、康定までならなんとか行けるかも・・」という人が少しでも増え、計画の参考にしてもらえたら幸いです。
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