康定の町にはいくつかのチベット寺院があり、気軽に立ち寄れる観光スポットになっています。
観光スポットとは言っても、よくあるテーマパーク的な「見せ物」ではなく、地元のチベット人の暮らしにしっかりと根付いた本格的なものです。
その中の1つ、康定の中でも一番大きな寺院「南無寺」に実際に行ってきたので、行き方や場所、どんなスポットなのかを、写真を添えてご紹介したいと思います。
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■目次
南無寺(南无寺)への行き方、場所、アクセス
まず始めに、南無寺への行き方です。
中国ではGoogleの対応エリア外のため、Google Mapが正確に表示されません。なので、参考程度にご利用ください。
事前に「百度地図」をダウンロードして現地に行くことをオススメします。
康定中心部の端、「向阳桥」付近から約2キロ、徒歩だと約30分ほどになります。
この区間は、路線バスの「1路」「2路」が運行しており、片道1元(約16円)と格安で利用可能なので、バスでのアクセスをオススメします。
降車停留所は「公主桥」が最寄りです。
タクシーだと市街地から約15元ほどで、南無寺の入り口までアクセスできますので、足が悪い方や、体力的に自信がない方はタクシー利用が便利です。
南無寺は「跑馬山公園(跑马山公园)」や、もう1つのチベット寺院「金剛寺」などの見どころも近く、どれも徒歩圏なので一度に回ることが可能です。
康定・路線バスの1路・2路で南無寺に行こう!
康定の路線バスは何系統か運行されていますが、どれもシンプルなので使いやすい!
町の中心地(旧市街)から、外れにある市役所(新市街)までは1路・2路のバスで繋がっています。その途中にあるのが、今回ご紹介する「南無寺」。
この寺院は、康定にあるチベット寺院の中でも一番大きく、荘厳な空気を纏っていて、見応えバッチリ。
まずは、バス停から路線バスに乗るところから始まります。
当然行き先と方向があるので、事前に地図でチェックしておくことをオススメします。
また、今回降りる停留所は「公主桥(公主橋)」です。停留所に付いている路線図でも確認しましょう。
バスの正面上部には「●路」という表示がされています。
市街地からは1路・2路どちらでも行けます。長距離バスターミナルから行く場合(ユースホステルなど、バスターミナル近くの宿も含む)は2路に乗車します。
長距離バスターミナルから市街地までのバスは、こちらの記事も参照ください。
料金は、どこまで乗っても一律1元(約16円)と格安!なので、節約旅行の人にも嬉しい移動手段です。
タクシーの場合、市街地から約15元(約220円)程度と、こちらも十分安いので、バスが面倒な人はタクシーで行くのもいいでしょう。南無寺あたりなら帰りのタクシーも簡単に拾えます。
バスの注意点は、地元の人が途中から大勢乗ってきて、降りるのが大変な時があります。降車ブザーが付いていない車種の場合、運転手にジェスチャーで知らせなくてはならないため、なるべく前に乗る方が良いでしょう。
乗車してから15分ほどで「公主桥」に到着です。
このバス停は、市街地を見渡せる展望台のある「跑馬山公園(跑马山公园)」のロープウェイ乗り場前にあり、もう1つのチベット寺院「金剛寺」も徒歩圏になります。
なので、合わせて観光すると良いと思います。
写真の左にある大きい建物がロープウェイ乗り場です。
順路的には「公主桥」で降りて、「跑馬山公園(跑马山公园)」に登って、降りてきたら「南無寺」、最後に「金剛寺」というのが直線ルートになるので最適だと思います。
(高所恐怖症の嫁さんから「大反対」をもらい、ロープウェイは泣く泣く諦めました。バス停前で大げんかです・・・。)
跑馬山行きたかったなー・・。
さて、気を取り直して「南無寺」に向かいましょう!
「公主桥」バス停から、ロープウェイ乗り場を背にして坂を登っていきます。すると、数分で右側に「南無村」という大きなチベット風の門が現れます。
南無寺は、この奥にあるので、門をくぐり坂を登り続けます。
門の下あたりに公衆トイレがあります。決して綺麗ではありませんが、寺院内のトイレよりはマシなので、ここで済ませていくことをオススメします。(2018年12月時点の情報)
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門をくぐれば、そこはチベット世界の始まり
門の下にあるトイレで用を済ませ、再び坂を登り始めた私たち。
雰囲気のある坂道が続きます。
標高2400mの高所なのと、運動不足がたたって、足を踏み出すごとに息が切れます。
なので、一歩一歩ゆっくりと進みましょう。急がなくてもお寺は逃げませんよ。
スマホの百度地図を頼りに進みます。
途中右に曲がり、そのあと左に曲がれば着くのですが、途中でGPSが狂い、曲がり角を1つ間違えてしまいまして・・。
急なガケのある裏道に出てしまい、その上道が凍っててツルツル滑る!
転びそうになって、「あぶねー!!」
・・・と思ったその時・・。
ふと覗いた右のガケ下には、康定の街と、雪山を見渡せる絶景が・・・!!!
ちょうどロープウェイも見えます。
余談ですが、これらの写真はCANON EOS 9000Dという一眼レフカメラに、「TAMRON (タムロン) 18-400mm F3.5-6.3 DiII VC HLD」という高倍率ズームレンズをつけて撮影しています。
画質は落ちますし、望遠端ではピント合わせが難しい・・。それでもここまでズームして撮影できてしまいます。
旅行にはなかなか便利なレンズです。
道を間違えたおかげで、思いがけない絶景に出会えて気を良くした私。
高所恐怖症の嫁さんは「わざと間違えたんだろう!?」怒っていますが・・(笑)
さて、正しい道に戻りましょう。
バス停から約20分ほど歩き(道を間違えた時間はノーカウント)、ようやく寺院にたどり着きました。
立派な門構えですね。
色使いがチベットそのもので、見た瞬間からワクワクしています。
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康定・南無寺の外にはマニ車小屋がある
門の外には、ベンチが置かれている公園があり、参拝者はそこで休憩をすることができます。
その公園の横にある小屋を覗いてみると・・・。
おおっ!立派なマニ車がずらりと並んでいます!
このマニ車とは、チベット仏教のシンボルとも言える仏具で、1周回すと1回お経を唱えたことになるという優れもの。
ルールが決められていまして、必ず「時計回り」に回すというもの。また寺院内やマニ車小屋では「時計回り」に巡回すること。
決して逆回りに歩いたり、反対側に回してはいけないんだとか。
ということを、2年前に雲南省のシャングリラに行った際、現地のチベット人に教えてもらいました。
それを思い出しながら、さっそく回してみましょう!
もう、マニ車の金色と、カラフルな装飾と、チベットカラーのえんじ色が美しすぎる・・。
すでに女子みたいになっていますが、気にしないでください・・。
うちの嫁さんは、タイ式ではありますが同じ仏教徒なので、必死になってマニ車を回しています。
最後に、中央にある大きいマニ車を回そうとしましたが、これが重くてなかなか回らない・・。結構力を入れてやっと動き出すといった感じです。
康定・南無寺の荘厳な佇まい
マニ車を回し始めてから20分ほど経ったでしょうか。
地元のチベット人も一緒に回します。
このマニ車を回しながら、寺院内やマニ車の周いを巡回することを「コルラ」と言うそうで、チベットのおばちゃんと一緒に「コルラ」しました。
外に出たら、雪の上に佇む猫がお出迎え。
この子、かなり人懐っこい性格で、私が「にゃ〜ん」と呼ぶと、まっすぐに駆け寄ってきました。
さすがチベット猫は雪上でも平気なんですね。寒くないのかしら。
さて、寺院の中に入っていきましょう。
立派な門をくぐると、階段がありもう1つの門が・・。
石碑があり、寺院の説明が書いてありますが、読めませんでした・・。
その階段を上がり・・
もう1つの門をくぐります。
すると、その先には・・・
山を背にしてそびえ立つ、荘厳な本堂のシルエットが!
たった今くぐってきた門。
装飾の絵画が美しい。
雪上がりの強い日差しを反射して、黄金色の屋根が輝いています。
そして幾重にも重なる屋根が奥へと続いています。
本堂の内部は撮影禁止になっているので、注意が必要です。
それ以外の場所では撮影可能です。
本堂の両脇には、僧侶たちが住んでいる僧坊があり、えんじ色の袈裟を纏った僧侶が扉から扉へ移っていきます。
1つ1つが個室になっているようで、時折僧侶が出てきて廊下を歩いていきます。
世間話に花を咲かせるチベット僧侶たち。
その中から2名ほど降りてきて、英語で軽く挨拶。
「どこから来たの?」と聞かれて、「日本だよ!嫁さんはタイ!」と答えると、タイという国名にかなり反応しまして・・。
嫁さん大人気!
タイ人とチベット人は、それぞれの教えは違えど、やはり同じ仏教でつながっているというのがありますね。
お互いの言葉は全く通じませんでしたが、スマホの写真を見せたり、格式の高い僧侶の写真を見せてもらったりしながら、20分近くも僧侶と仏教についてのお話していました。
(この後も、行く先々で嫁さんが「タイ人」と言うと、中国人もチベット人もみんな大喜びなことが分かりました。中国人やチベット人は、特にタイ人に対してかなり友好的なんですね!)
寺院は「ロ」の字になっていて、正面が本堂。その本堂を「コ」の字に囲うように僧坊が建っています。
少し剥げかかった塗装がいい味を出しています。
雪とのコントラストも美しい。
最後に本堂の前で手を合わせて、この荘厳なチベット寺院・南無寺を後にしました。
康定・南無寺の注意点
寺院内、マニ車付近では禁煙です。(吸っている中国人は見かけましたが、本当は禁煙です)
特に、僧侶にタバコの煙がかかることは大変失礼に当たるそうなので厳禁。(たまに吸いたくても我慢している僧侶もいます・・)
本堂の中は撮影禁止です。また本堂に上がるときは靴を脱ぐ必要があるので、脱ぎやすい靴で訪れるのが良いと思います。
マニ車は「時計回り」に回し、「時計回り」に巡回するのがルールになっています。
ここはテーマパークではなく、あくまでもチベット人にとっての「聖地」なので、節度を持って「見学させてもらう」という気持ちが大切だと思います。
まとめ
市街地から路線バスで簡単にアクセスできるチベット寺院「南無寺」。
いわゆる「観光向けのスポット」という佇まいではなく、地域に密着した本格的な寺院なので、かなり見応えがあります。
寺院内を散策するもよし、マニ車を回して「コルラ」するもよし、地元のチベット人と触れ合うもよし。
康定を訪れた際には、路線バスに揺られて、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
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