東チベットの入り口にある「康定」の町。
古くから交通の要所として栄えたこの町は、今でも東チベットへ向かう多くの旅人を受け入れています。
その性格上「安宿」や「ゲストハウス」的な宿泊施設が多かったのですが、最近は中国人観光客や、政治・行政関係者が利用するような、ちょっとグレードの高いホテルも増えてきています。
今回の旅で、私たちが「ホテル」に求めるたものは、安さよりも「快適性」。
しかし予算が無限にあるわけではないので、日本のビジネスホテルと同程度の「1泊5000円」で探していました。
そして、タイ人の嫁さんと一緒に回るため、中国のビザを事前に取っておく必要があったので、外国人でも確実に泊まれるホテルを探す必要がありました。
そこで見つけたのが、今回ご紹介するホテル「スイトンプラス(SUITON PLUS)」。
実際に3泊の日程で宿泊してみましたが、これが予想以上に快適で、外は氷点下の寒い夜でもゆっくり休むことができたのでご紹介したいと思います。
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■目次
康定のスイトンプラス(SUITON PLUS)ホテルを気に入った理由
今回、私たちが康定のホテル選びで基準にした点がいくつかありまして・・。
まずはそれらを「気に入った理由」としてご紹介したいと思います。
1.バスターミナルからも、市街地からも近い
もし康定には1泊だけして、翌日の早朝には次の目的地に向かうのであれば、バスターミナルに近いホテルを探す方が良いと思います。
しかし、私たちはこの康定に3泊して、ゆっくりと都会的な「アーバン・チベット」も満喫しようと思っていました。
なので、バスターミナルから比較的近いエリアで、市街地へは徒歩10分以内でアクセスできるホテルを探していました。
この「スイトンプラス」は、バスターミナルから市バスで5分(徒歩だと20分)、市街地からは徒歩5分と好立地。
ちょっと買い物や、食事に行くのも徒歩で数分。
最終日は早朝5時にチェックアウトして、バスターミナルまで20分ほど歩いて行きました。(寒くて死にそうでしたが・・)
2.部屋が新しい
数年前にオープンしたこの「スイトンプラス」は、他のホテルと比べても部屋が綺麗!
寝具も水周りも綺麗に清掃されていて、嫌な匂いも全くせず、不快なことはナシ!
3.個別暖房で夜中も暖かい
私がなるべく新しめのホテルを探していた理由はここにあります。
「個別調節ができる暖房」
夜になると外はー6℃くらいまで下がる冬の康定。なめてはいけません。
この辺りの安宿だと、暖房ナシ、冬でも「電気毛布」1枚だけとか普通にあるようなので、万が一の停電を考えるとちょっと怖い・・。
「スイトンプラス」では個別調節できる暖房があり、夜中でも暖かく快適に過ごすことができました。
4.熱いシャワーを自由に浴びられる
これも聞いた話では、安宿だと電気シャワーなので、冬の夜はパワーが足りず、お湯が出ないこともあるそうです。
「スイトンプラス」では、24時間いつでも時間を気にする事なく、熱いシャワーを浴びることができます。
5.それなりに広い部屋と速いWi-Fi
記事を執筆したり、ちょっとした作業が残っていたので、パソコンで作業するスペースが必要でした。
安宿や格安ホテルだと電力が安定しなかったり、作業スペースがなかったりと使い勝手が悪いようです。
「スイトンプラス」の部屋には、写真のようなデスクが備え付けられていて、夜一人でパソコン作業するにはぴったりの環境。
ちなみにWi-Fiは、爆速とはいかないまでも、十分速い!
私の場合、その日撮った写真を、VPN経由でDROP BOXにアップしているのですが、地方都市という事を考えてもサクサク動いて快適でした。
ーーー
これらの理由から、この「スイトンプラス」は結構オススメできると思いました。
康定に数日滞在する予定で、安宿やドミトリーのホステルに抵抗がある人、節約旅ではなく「通常の旅行」の人にちょうど良いのでは・・?と思います。
それでは、実際に泊まった時の様子を写真付きで見ていきましょう!
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最初は分かりにくい入り口
私たちは、成都からバスで康定に入り、バスターミナルからは路線バスでスイトンホテルに向かうことにしました。
百度地図で調べていると、ちょうどホテルの至近距離に「向阳桥」というバス停があることがわかりました。
20分くらいなので、歩いても良かったのですが・・・せっかくなのでバスに乗ることに。
運賃は1人1元(約16円)と格安!
ものの数分で「向阳桥」バス停に到着!
バスを降りると、メイン通りにはチベット服に身を包んだ人たちが行き交い、通り沿いにはチベット風情の建物が並んでいて、それらを目にした途端に気分が盛り上がってきます。
他の人のブログでは「康定はチベット色が薄い、これはもう漢族の町になっちゃっている、こんなのチベットじゃない!」という内容の記事をよく見かけますが・・
もしその人が「大草原に佇むチベット風の一軒家があり、チベット人たちは独自の文化で自給自足の暮らしをしている」と期待してここを訪れたならば、そう感じるかも知れません。
しかし、例えば外国人が日本の都市部を訪れた時、木造の和風建築を期待していたのに周りはビルだらけ、「日本色が薄い」と言うのと同じようなものかと思います。
ここは東チベットのなかでも一番栄えていて、東チベットの「中枢」を担う「都市」なのです。
康定は「漢族」が多く流入していますが、町を歩く住民の多くはまぎれもないチベット人。
私の場合「それも含めてが、現代の康定・旧ダルツェンドなのだな」と感じました。
そんなことを考えながら、ぼやっとしていたらいつの間にかホテルを通り過ぎてしまったようで・・。
「あれー、おかしいなー」
と言うのが第一声(笑)
後ろからは「寒い!早くして!」と、私を咎める嫁さんの声が聞こえてきます。
2度ほど行ったり来たりするも「スイトンプラス」はなかなか見当たりません。
ついに10分ほどが経過した時、ふと横を見ると、小さく「SUITON PLUS」という看板が目に入りまして・・。
隣にある銀行と繋がっていて、看板が小さかったたため、見落としていたようです・・。
夜に反対車線からあたらめて見てみると、かなり上に「SUITON」と書かれた看板がありますが、目立つのは中国語でのホテル名「柏栎荟舎酒店」。歩道が狭いので、これも上を見上げないと目に入りません・・・。
ちょっと分かりづらい入り口でした・・(笑)
それではチェックインしましょう!
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近代的でおしゃれなフロントでチェックイン
ひとまず中に入り、ロビーにあったソファーに嫁さんを座らせて、一人チェックインに向かいます。
なかなかおしゃれで、モダンなカフェのようにも見えます。
いい感じですね!
周りの建物から感じる雰囲気とは全く違う「高級感」を放つロビー。それなのになぜか周りに溶け込んでいるから不思議です。
これくらいちゃんとしたホテルなら、英語は通じるだろう・・と思っていました。
フロントのお姉さん(美人)に「你好!」と声をかけて、パスポートと予約票を渡しますが・・。
「○▲□▶︎●@▽#%$!」
「%*▶︎@●$&吗?」
通じません・・。
何かを聞かれているのは、語尾についた「マ?」で分かりましたが、よく分からないので笑ってごまかします(笑)
お姉さんがスマホの翻訳ツールで変換してくれたところ・・
単純に予約内容の確認だったようです!
その後は特に問題もなく、そのまま部屋のカードキーを渡され完了。デポジット(保証金)のことも特に言われませんでしたが、大丈夫だったのでしょうか?
普通のビジネスホテルと同様、ベルボーイはいないので、自分で荷物を運びます。
渡されたカードキーは8階!最上階ですね。
それではエレベーターで上に行きましょう。
康定スイトンプラスホテルにある8階テラス
8階でエレベーターを降りると、外に通じるドアだけが開いていました。
「あれ〜?」
予想したものとは、いい方向に違ってびっくり。
私たちは「パノラミック・クイーン」という、1ランクだけ上の部屋を予約したので、スタンダードとは少し作りが違うようでした。(それでも一般室との金額差はたった300円程度・・)
「パノラミック」というだけあり、最上階にあるので、他の部屋よりも眺めが良いようです。
このように渡り廊下を歩いて客室棟に向かいます。
私がびっくりしたのは、この途中にはテラスがあり、カフェのように椅子とテーブルが設置されています。すぐ近くにはチベットの山々が迫り、かっこいい!
もし春〜秋までだったら、このテラスでお茶でも飲みながら、のんびりと過ごすのも良さそう!
後から英語が通じる従業員に聞いたところ、晴れた深夜は、ここから星がよく見えるそうです。
それでは部屋に入りましょう!
康定スイトンプラスホテルの部屋
部屋に入って、まず感じた第一印象は・・
「きれい!」
特に豪華さはありませんが、白と木目が作り出すイメージは「清潔」そのもの。
配色も目に優しく、空気感もやわらかくて落ち着きます。
この時点ですでに「このホテル選んで良かった〜」と感じた私たち。
3日間過ごすわけですから、快適性は大事です。
しかも、ここ康定は標高2400mの高所にある「天空都市」。
ちょうど高山病の症状が出始めると言われる2000mをゆうに超えています。
なので、普段低地で暮らしている私たちにとって、いつも以上にゆっくりと休むことは重要事項。
これなら快眠できそう!と期待します。
枕元にはかわいらしい時計が置いてあります。持って帰りたい・・(笑)←ダメですよ
ベッド脇には両側にコンセントがあり、充電しながら寝っ転がってスマホをいじれます。
電源スイッチもシンプルで分かりやすいですね。
水周り。
シンプルながらも広めの作りです。トイレとシャワーブースがしっかり分けられていて使いやすい。
熱いお湯もしっかり出て、勢いも充分にあります。
綺麗に清掃されていて(中国にしては・・日本と比較してはいけません。)、清潔なのも良いですね!
歯磨きの水(これは飲んでも大丈夫です。水道水は飲めません。)と、歯ブラシ、シャンプーなどのアメニティーが無料で提供されています。
滞在中、使った分は毎日補充されました。
ちなみに、上級グレードで広めのスイートルームもあり、そちらは1泊1万円弱で泊まれるそうです。リビングつきで、バスタブもあり、さらに広く快適な部屋なのに、1万円しないなんて・・。
バルコニーからの眺めは最高!
「パノラミック・クイーン」ルームの売りは、バルコニーからの眺め。
最上階ということ、そして角部屋だったこともあり、眺望は最高!
目の前には、康定のチベット風の街が広がり、すぐに裏手に迫る山!
岩山には、チベット仏教のシンボルとも言える「神様」が多数掘られていて、「今チベットにいるんだ」という実感が湧いてきます。
この眺めは部屋によって違いますが、角部屋(市街地寄り)をリクエストできるのであればしてみましょう。
各部屋のバルコニーにはテーブルと椅子が用意されていて、ここでお茶を飲んだりできます。
冬季は寒すぎるので、ちょっと厳しいですが・・。
日も暮れてきて、眼下に見る街には灯りが1つ2つと増えてきました。
この雰囲気、どことなく日本の温泉街に似ている気がしたのは私だけでしょうか・・。
さっきまでは晴れていたのに、すぐ近くの山の上には、雪雲が広がってきました。こりゃ降るな・・。
さて、そろそろお腹がすいてきたので、街歩きも兼ねてお出かけしましょうか!
まとめ
清潔な部屋で、ゆっくりとくつろぐことができる「スイトンプラスホテル」。
1泊しかせずに、翌早朝に出発するのであれば若干もったいないと思いますが、もし数日間滞在するのであれば、快適なベッドで寝ることができるので結構おすすめです。
宿泊料は1泊4〜5千円くらいなので、ホテルに多少の予算を使える人向きではありますが、市街地中心部にも近いですし、バスターミナルへも頑張れば徒歩でもアクセスできる圏内なので便利です。
ネット上にある日本語のブログを色々探しましたが、ホステル以外の情報がなかなか見つからなかったので、ホステルや安宿はちょっと・・・という人の参考になれば幸いです。
事前に「Trip.com」で予約した方が安いので、まずはチェックしてみることをおすすめします!
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