中国の成都は「チベットの玄関口」とも言われている通り、チベット文化圏とは距離的にも近く、古くから人の往来があります。
その成都にはいくつかのチベット人街があり、多くのチベット人が集まる居住区となっていて、えんじ色の袈裟を身にまとった僧侶、民族服を着こなしたチベット人達が街を歩いています。
立ち並ぶ商店は、仏具店や家具店など独特で、成都の他のエリアと比べるとまさに異文化!街歩きがとても面白いのです。
今回は、錦里から近くにあるチベット人街を散策してきましたので、その様子を写真付きでご紹介したいと思います。
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成都チベット人街は錦里から近い!
中国ではGoogleの対応エリア外になるので、Googleマップが長いこと更新されておらず、GPSも迷い気味になります。なので中国の無料地図アプリ「百度地図」のダウンロードをオススメします。
まずはGoogleマップをご覧ください。
チベット人街は、錦里から見て南側の区画に広がっています。最寄駅は地下鉄3号線の「高升桥」駅。
「D出口」から地上に出たら、そのままケンタッキーの方に向かい、大通り「武侯祠大街」を右に曲がります。
すると、5分ほどで「武侯祠东街」という通りがあるので右に曲がると、そこにチベット人街が広がっています。
他に駅前の細い道からもアクセスできますが、実際に歩いてみたところ少々分かりづらかったので、紹介した行き方が一番迷わず到着できると思います。
錦里から向かう場合は、大通りを渡り、火鍋屋の「同堂里」という渡り廊下の下をくぐると裏道から散策をスタートできます。
ユースホステルや、安い宿泊施設もこの辺りにいくつかあるようなので、チベット文化に興味がある人は、この辺りを観光の拠点にするのもいいと思います。
それでは、街歩きをスタートしましょう!
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成都のローカルエリアを歩く
この辺りの裏通りは、観光地ではなくてローカルエリアになります。なので「THE 観光客」というスタイルで遠慮なしに入っていくと、現地住民に不快な思いをさせてしまう恐れもあります。
治安自体は特に悪いとは思いませんでしたが、やたら写真を撮るとトラブルになる可能性もあります。(政府はチベットの動向に神経を尖らせているため、またチベット人も中国人の行動にピリピリしている人もいるため)
各地を旅慣れている人なら問題ないかと思いますが、居住者に対する配慮と敬意を忘れずに散策したいですね!
今回の散策のスタートは、錦里側から。
三国志の舞台ともなった成都なので、それにちなんだ店や像があったりと、見ていて面白い!
錦里の散策についてはこちらをご覧ください!
さて、錦里から見て大通りの反対側を歩いていると、左に曲がる細い道があります。その奥には、今回の目的地「チベット人街」が広がっているので、適当に曲がってみましょう。
ローカルな商店街が奥に続きます。
錦里は、再現された「古い街並み」ですが、こちらは現役の「ちょっと古い街並み」なので、生活感が漂います。
こんなものも路上で販売されています。
腸詰や、ヤク肉のジャーキー、細長いのは脚ですかね。
この辺りは、漢族(中国人)エリアと、蔵族(チベット人)エリアが混じっているので、それぞれの文化も入り混じっています。
子供が「ぴょんぴょん」遊んでいます。
この辺りでは、都会の忙しい空気は消えて、のんびりした空気に包まれていますね。
キャンプ・アウトドア用品店が増えてきました。
チベット人街の始まりですね。値段が手頃な中国製トレッキングシューズ、ダウンジャケットなども売られています。
服屋さんには民族衣装が並びます。
チベット人は普段着もおしゃれで実用的。生地も結構いいものを使っています。
甘孜で現地人に聞いた話によると、もちろん人によりますがチベット人の収入は思ったよりも高く、労働層の中国人より高給だったりするようです。
特に観光系(個人チャーターの運転手やガイドなど)、山菜系(冬虫夏草やきのこ、薬草採取)のチベット人は、中国人に搾取されているのかと思いきや、そうとは限らないようです。
春から夏にかけて一気に仕事をし、秋から冬はずっとお休みという人にも何人か会いました。
なので、賛否両論はありますが、普通に暮らす現代のチベット人としては、必ずしも中国政府を恨んでいる訳では無いようです。(政府のやり方については一旦置いておいて・・)
僧侶に関しては、民族的なことの他に、宗教の弾圧もされているので、一般チベット人とは別の考えがあるとおっしゃっていました。
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左右に広がる、都会・成都のチベット世界
成都のチベット人街には、チベット自治区や東チベットから移住した人、またはそれらのエリアから用事で訪れたチベット人が大勢集まっています。
そのため、チベット料理を提供するレストランも多く、高級店から庶民的な店まで揃っています。
こちらは、前日の夜訪れた「錦里」近くにあったチベット料理店「阿热藏餐」の本店。
店内にはチベット服を着た年配の方が数名、バター茶を飲んでくつろいでいました。
この周辺は僧侶が多く、仏具店や法衣店が通りの左右に立ち並び圧巻です。
その多くが、チベットのシンボルカラーでもある「えんじ色」の看板を掲げています。
店内には、黄金色に輝く仏像が展示販売されています。
中国の成都なのに、もはや数日前まで滞在していた、東チベット「甘孜」の街に逆戻りしてしまったような感覚さえ覚えます。
交差点の付近には、乗り合いバンや、チャーター車の四駆が停車していて、客引きをしています。
驚いたのは、その客引きから「拉薩(ラサ)」という地名が出たこと。
成都から西へ2000キロ以上離れた、チベット最大の都市でもあります。
拉薩までは丸3日ほどかけて走るそうです。すごいなぁ・・大陸の雄大さを感じます。
仏具店でお買い物。
タイ人の嫁さんが、チベット仏教の仏具に興味を持っているので、ここからはお買い物タイム!
ここでは神様に水を淹れる容器と、お香を購入。
値段は付いていないので、紙に書いて筆談すると・・・
物によりますが、10元(約170円)〜30元(約500円)程度と良心的な価格。もしタイで買っても同じくらいするでしょう。
小型のマニ車は30元〜60元程度。
だんだん暗くなってきました。
仏具店と僧侶の組み合わせが美しい・・。
こちらのお店では、小さなお守りなどが売られています。
よくチベットの乗り合いバンのミラーにかけてあるお守りですね!香炉なども手頃な価格。
太陽電池で動く「マニ車」は120元(約2000円)くらいします。
これがチベット人には結構受けているようで、僧侶は手回しのマニ車、一般家庭には電動マニ車が置かれているそうです。
マニ車が1回転すると、1回念仏を唱えたことになるという便利グッズ。
なんでも自動化してしまうのが中国式ですが、電動式なら食事中でも、寝ている間でも、勝手に念仏が唱えられているので、日常生活の中でいつの間にか徳を積めるということになります。
私たちは、手回し式の携帯マニ車を1つ購入。
見栄えの良い60元のものを選びました。(現在、バンコクの自宅で仏像の隣に祀ってあります。)
品揃えがよかったので、一応お店の名刺を載せておきますので、気になる人はどうぞ。
まとめ
成都という大都会にいながら、一歩足を踏み込めばそこは荘厳なチベット世界。
普段見慣れない異文化が広がるエリアなので、町歩きするだけでも楽しめると思います。
チベットに興味があるけど距離的・日程的に行けない方、気軽にチベット体験してみたい方にはぴったりな場所なので、成都を訪れた際には足を運んでみてはいかがでしょうか?
参考になれば幸いです。
本当にチベットまで行きたい人はこちらの記事をどうぞ
成都に行ったら外せないこの店「陳麻婆豆腐」
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