こんにちは!Asia-Jin(あじあ人)です。
私は2012年からタイに住むようになって、今年で7年目になります。
全体的にみると、タイの物価は日本と比較すると安く感じますね!例えば住居費。現在住んでいるコンドミニアムの賃料は6000B、日本円にすると約20000円くらいになります。
交通費も安く、タクシーの初乗りは35B、約120円〜で、長距離を乗っても加算額は2Bずつ(約7円)なので、対距離の運賃はおおむね日本のJR運賃と同じくらいになります。
これだけ聞くと、「タイは何て物価の安い国なんだろう。住みやすいに違いない!」という声が聞こえてきそうですね。
今回は、タイに移住を検討している人や、仕事などでタイに住むことを計画中の人向けに、タイで生活する物価とそのコスパについてお話ししたいと思います。
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物価の安いタイ、そのコスパはいかに
物価=コスパとは直結しない
はじめに結論から言います!
私が7年タイに住んできた経験から言いますと、普通に暮らす分のコスパで考えると日本の方が良い!と感じます。
ポイントは「普通に暮らす」ことです。
ここで指す「普通」とは、日本で暮らすレベルの「普通」という意味合いです。
また、今回の記事はあくまで「生活」のコスパについて書きました。旅行時やタイでの遊び(ゴルフや夜遊びなど)のコスパとはまた別の話になります。
確かにタイの物価は日本と比較したら全体的に安いものが多いのですが、それが必ずしもコスパとは直結しないんです。
コスパとは、品質や味、耐久性、サービス内容などの快適さなど、その対価を払ったことに対する満足度を示す訳ですね。
日本で生まれ育った人は、世界基準と比べてだいたい目も舌も肥えていますし、モノやサービスに対する感度も高いです。
だからJAPANクオリティーなる言葉が世界で通用するんですが、もしタイで暮らす時に日本と同等のクオリティーを求めるならば、日本で支払う1.5〜2倍くらいの対価を払わないと得られないというのが私の感想です。
逆に、日本と比較したりせずに「異文化を感じられること自体に満足できるタイプの人」「タイに住むこと自体を非日常と感じられるタイプの人」だと、タイは最高にコスパの良い国と感じられるでしょう。
この違いはどこから来るのか、順に見ていきましょう。
観光でのコスパと、居住者のコスパは別物
一番重要なのがここですね。
観光旅行の時に求めるものは「非日常」であり、「新しい発見」なわけです。
ということは、みなさん今まで頑張って稼いだ給料を貯めて、非日常を求めるためにここぞとばかり使うはずです。
このような使い方をするなら、タイは本当にコスパが良い国だと思いますよ。
例えばホテル。
日本では5万10万以上するような、外資系有名ホテルの広い部屋。
ここバンコクでは3万円くらいで泊まれてしまいます!
またちょっとの移動でタクシー利用を乱発してもたかが知れています。
日本で入ったら5万くらい行きそうな、ちょっとおしゃれで高級なレストラン。
これもだいたい2万円あれば済んでしまうでしょう。
マッサージにスパにエステ。タイではこれも格安です。
これらは「非日常」であるからこそコスパが良く感じられるのです。
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非日常を日常にはできない
では、これらを日本と比較して「コスパ」が良いね〜!って思ったとしましょう。
いざタイに住むことになったとして、これを毎日できますか?ということです。
旅行はあくまで旅行です。贅沢をするために行くのです。
毎日こんなことをしていたら、普通に会社員している人だったら一ヶ月と持たずに破産してしまいます!
だから、冒頭で述べたように、
日本と比較したりせずに「異文化を感じられること自体に満足できるタイプの人」「タイに住むこと自体を非日常と感じられるタイプの人」だと、タイは最高にコスパの良い国と感じられるでしょう。
となるわけです。
タイでの日常のコスパはどうなの?
これは、個人の満足度に対するハードルによります。
人によっては全く気にならないこともありますし、ある人は毎日イライラがつのり、ストレスで体調を崩すほどです。
クオリティーに対する考え方の違いが問題なのです。
例えば、タクシーに乗りましょう。
初乗り35Bで、10キロ乗っても100B(約350円)程度。日本だと10キロも乗ったら4〜5千円は超えてしまいますよね?
ではコスパはどうでしょう。
まずタクシーに求められる本質は?
「安全性」ですよね。
タイのタクシーは、運転がめちゃくちゃな人が多いです。基本的に荒い。
スピードもかなり出しますし、右左にと追い越しをかけます。割り込みます。
タイのタクシーで紳士的な運転を求めるのは無理ですね。
また車両は、整備されていない年季の入ったガタガタなのも良く見かけます。空港に向かう途中故障したらどうするんでしょうか?乗車中不安で仕方ないと思います。
目的地の手前で降ろされることもたまにあります。渋滞してるから、とか、他のお客を乗せたいから、といった理由です。
よって価格は安いですが、日本のタクシーのクオリティーを求める人はきっと不愉快になるでしょう。
「安全性」や「安心」まで含めての価格ではありませんから。
私の場合ですか?
もう慣れました(笑)でもタクシーはなるべく乗りたくないですね。運転が好きなので、自分で運転した方が気楽です。
他の例を挙げましょう。
何かを買ったとします。
日本と比較して半額だったとします。その買ったものが日本だったら10年使えるけど、タイだったら半年で壊れます。
買った店の店員もあまり態度がよくありません。
壊れた後の保証や返品交換の話しも、思うように進みません。
あなたならどう感じますか?
これは、電源タップや小型家電の話です。
もう一つ例を。タイの飲食店で食事をしましょう。
メニューの価格は日本の半額くらい。
店員はボーッとしてて読んでもなかなか注文を取りに来ません。
やっと注文できたと思ったら、頼んだものと違うのが出てきた、盛り付けが雑、水は有料、おしぼりは無い、トイレは汚く水浸し。
よく見たらテーブルも椅子も油汚れで黒くなっている。
そして食べていた料理の中から髪の毛が・・。
クレームをつけたら、店員が謝るどころか、手で髪の毛を掴みとって「これで食べられるでしょ?」と。
お会計の時もなかなか来ない、計算が間違っている、お釣りも間違っている、領収書は無い・・。
こんな話は、タイの庶民的な飲食店でならよくある話です。タイの庶民はこのようなことをほとんど気にしないので、サービスの価値観は日本とは全く異なる訳です。
これらをどう感じるかによって、タイが暮らしやすいかどうかが変わって来ますね。
私個人的には、それも含めてタイなんだと思っているので、特に気にせず利用してます。一時期はこれらが目についてイライラしたことも何度かありますけどね。
ただし一緒に行く相手によって、慎重に店選びをする必要があります。相手がタイ人の場合、店選びを間違えるとかなり失礼に当たるので。
日本に近いサービス水準を求めるのは富裕層。なので、タイの富裕層・又はそこまで届かなくても、それなりに裕福な層は、庶民的な店では食事しません。
そして、富裕層や裕福なタイ人が納得するような店なら、従業員やシェフも良く教育されているため、日本人が行っても十分満足できるサービスや味です。
しかし、何と言っても価格が高い!
だいたいが一品につき250B(800円)〜400B(1400円)程度になります。
だってこのような店に行くタイ人は、選ばれた者なわけですから。毎日毎食このくらいの金額でも全く気になりません。
ちなみに世帯月収が最低10万B(約35万円)〜くらいあれば、このような店で食べられます。対し、タイ庶民の世帯月収は最低1万B〜3万B(35000円〜10万円)程度。
タイではサービスや品質は基本価格に入っていないと考えるため、商品価格にそのまま反映されます。なので、それらは付加価値となり、求めるのであればそれなりの金額を払う必要があります。
価格の安いものは、「それなり」となってしまうのです。
タイに住んでしばらくして、慣れて来たときが分かれ目です。この辺りを感じ始めると、タイはコスパが悪く見えて来ます。
このように考えると、どんな店に行っても、どんな物を買っても、最低限「安全」「清潔」そして「不愉快の無い」ように接客してくれる日本ってコスパ最高だと思うわけです。
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なぜサービスやクオリティーが基本の価格に含まれないのか
日本人としたら、このような素朴な疑問が挙がってくるのではないでしょうか?
答えは簡単です。
タイは格差社会であり、階級社会なのです。
所得が低い人と、所得が高い人では、使う製品も食べるものも、根本的に異なるのです。
観光でタイに行き、良く目にするモノは、言ってしまえば「低所得層」でも買える品物。市場とか土産物屋さんで目にする安い服やアクセサリー、ブランドコピーの靴やバッグなど。
普通のタクシーや長距離列車・バス。
屋台のラーメンやカオマンガイ、安食堂のご飯。
そこらへんにある美容室や床屋。
ある程度所得があるタイ人は一切買いませんし、一切乗りません。食べません。
このように、そもそも買う店、買う物、食べる店、乗る物が分けられているのです。
一方低所得層はサービスとは何か、品質とは何かを全く理解していないので、それを提供する必要がありませんし、提供するための知識すら無いのです。
よって、サービスやクオリティーを求める人は、品質のよい輸入品をデパートなどの店で買い、信頼できる専用の運転手を付けて移動し、バスではなく快適な飛行機に乗り、清潔でサービスのよい高級店で食事をすることになります。
日本人がタイ人低所得層と同じ暮らしができるのか?
答えは「できます!!」
私がそうでした。
2013年ごろ、タイに住んで2年目の頃です。
当時仕事がなかなかうまくいかず、取引にも大失敗して、財布に20Bしか入っていなかった時期がありました。
4000Bのローカルアパートに住み、エアコンは付けず、バスで移動し、屋台メシだけで数ヶ月暮らしたことがあります。
その頃の生活コストは月1万B(当時のレートで約3万円)でした。
実際にこんな暮らしをしてみて、今振り返ってみると「暮すことはできるな」というのが感想です。
しかし長くは続かないでしょう。
日本人なので、やっぱり日本食は食べたいですし、毎日タイの屋台料理だと飽きます。酒も飲まず(元々飲まない人ですが)、旅行も行けず、何しろ昼間はとんでもなく暑いのでエアコンくらい付けたい!
なので、よく日本のTV番組とかでやっているような「月5万円で悠々自適にタイ・リタイヤ生活」みたいなのを聞くと、かなり違和感を感じるわけです。
確かに物価(最低価格)は安いですが、その予算その暮らしで満足できるかというのは別問題だと思います。
参考までに、年金でタイ暮らしをするとしたら、月に夫婦合わせて最低20万円くらいの収入、または年に200万円くらいの可処分資産がないと、かなり質素な暮らしになってしまいます。
これでは宣伝文句の「悠々自適」とはかけ離れてしまいますし、言葉が通じる分日本にいた方が暮らしは楽ですよ。
こんな人には完全移住せずに、年末〜3月まで観光ビザで3ヶ月間、毎年ステイするのをお勧めします!この時期はタイは乾期なのでとても過ごしやすい気候です。
観光ビザなら誰でも簡単に取れますので、北部チェンマイあたりに数ヶ月住み、残りは日本に住むというパターンが一番理想的で悠々自適な気がします。
ショッピングモールのレストランは?
最近増えている「セントラル」など、大型ショッピングモールに入っているレストラン。
これがタイの飲食店の中では一番コスパが良いのでは?と思います。
日本のチェーン店もたくさんありますし、タイのチェーン店も日本のそれを見習っているため、様々な水準は高めです。
何しろ「衛生管理」がしっかりしているので、胃腸が弱めの人には特にお勧めします。
大戸屋やココイチなど日本のチェーンは、日本で食べるよりも割高ですし、外の店と比較してタイ料理の店も価格はやや高め。
とは言っても日本のファミレスくらいの価格帯です。
コスパを求めなければ・・
冒頭でも述べたように、「価格」だけで考えたら日本より安いものが多い訳ですから、タイに住むこと自体が幸せだ、異文化サイコー!!又は、サービスを特に求めないという人なら、ある程度の収入や貯蓄があれば快適な暮らしが送れるでしょう。
これは、その人が「タイに移住するのに適しているかどうか」という根本的な問題に直結します。
上の文章で挙げたことに対し「我慢できる」「許せる」じゃあダメなのです。
異文化として前向きに捉えることができ、それを「好き」かどうか、サービス水準を「気にしない」かどうかが大事です。
「我慢」という時点で、腑に落ちない、納得できないけど、ここはタイだから仕方ない、諦めようという気持ちが入っています。
これを毎日重ねていくと、いつか間違いなく「爆発」します!
そしてタイを嫌いになって、日本に帰る姿が見えてきます・・。
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結論、本当にコスパが良いのは・・・?
生活コスパだけでいえば、私が思うには日本です!
日本ほどコスパの良い国はなかなか見つかりません。
「安全」「安心」「快適」「耐久性」「サービス」「クオリティー」・・これらは価格に全て含まれているのが日本です。海外、特に東南アジアでは、これらは付加価値として別で買わなくてはいけません。
そうなると、タイで日本同等のクオリティーを求めるとどうしても割高になってしまいます。
このような理由で、これからタイで快適に暮らしていきたいならば、現地の事情を喜んで受け入れる心、又はそれなりの収入や貯蓄のどちらかが必要なのかな?と私は思います。
逆に、娯楽全般のコスパ、例えばゴルフや国内旅行、マッサージ、夜遊びなどをするとなると、日本のそれと比較してタイの方がコスパが良くなる傾向にあります。
これらを毎日楽しめるだけの金銭的・時間的余裕がある人にとっては、タイはこれ以上ないくらい最高な国だと思います。
まとめ
いかがでしかた?
今回は、タイ移住を検討している人向けに、タイと日本のコスパ事情についてお話ししました。
タイにはタイの良さがあります。
これはコスパでは絶対に比べられないものでして、いわゆる「お金で買えないモノ」系ですね。
それらを見つけることができれば、単純にコスパだけで比較することは無くなると思うんですよね。
タイでしか味わえないことはたくさんあります。それらは別にお金をかけなくても、日常生活の中そこら中に転がっているのです。
あなたはどう感じますか?
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