昆明発・成都行きの寝台列車に乗った私たち。
夕方に発車して、翌日の昼過ぎに成都に到着するスケジュールですが、前日の夜はカップ麺だけしか食べず、お腹をすかせていました。
前回の記事はこちら
ちょうど私たちが乗った11号車の隣には「食堂車」が連結されていて、通路からは美味しそうな炒め物の香りが漂ってきます・・。
その誘惑に負けて、食堂車に足を踏み入れた私たち・・。
今回の記事は、その食堂車で車窓を楽しみながら、ようやくご飯にありついたお話です。
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食堂車は営業時間が決まっている
乗車した日も、何度となく食堂車に足を運んだ私たち。
しかし、テーブルには車掌さんや警察官が座っていて、満席・・。「あれ、営業していないのかな?」と思いましたが、その時見せてもらったメニュー表にはこのような記載が。
朝食 7:00ー8:30(○)
昼食 11:00ー13:00(○)
午後 13:30ー16:00(走行時間外)
夕食 18:00ー20:30(○)
夜食 21:00ー22:00(○)
スナック 22:00ー4:00(ほとんどやっていない、警察官の休憩タイム)
列車によって多少違いますが、営業時間はざっとこんな感じです。
その日私たちが食堂車を訪れたのは、発車してすぐだから18時前、そして22時ごろ、翌朝9時ごろ・・・。
見事に営業時間外!
営業時間外は「工作人員(職員)」の休憩タイムなのですね。だから職員や警察官がテーブルに座ってくつろいでいたんだな・・。
多分最初に断られた時、一応説明があったと思いますが、中国語なのでさっぱり理解できず(笑)
なので、ランチタイムの11時すぎに改めて訪れてみたところ・・・。
おおっ、見事に一般客で満席に・・!
どのテーブルからも美味しそうな香りが漂ってきます。中華独特の、ニンニクや油を炒めた香りは食欲をそそります。
奥から職員のおばちゃんが出てきて、ここに座れ!と促されます。
職員用のテーブルじゃん・・。
売り物のお茶を仕分けしている最中だったようですが、あっという間に片付けてくれて、無事に座ることができました。
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中国寝台列車・食堂車のメニュー
列車によって、また走行する地域によってメニューも変わりますし、シェフの出身地などによっても味付けが多少変わるようです。
私たちが乗車したのは「昆明発・成都行き」。
四川省に向かう列車なので、四川料理である「麻婆豆腐」があれば食べたいな・・・なんて思っていました。
麻婆豆腐は私の大好物でして、中華屋に入ったら必ずオーダーするほど。
四川系列の料理が多いですね。さすが四川省を走る列車!
でも麻婆豆腐がなかなか見当たりません。職員を呼び止めて「麻婆豆腐!」と叫んだら・・
ありました!
ランチタイムはこの5種類からしか選べないようです。営業時間によって提供できる料理が異なりますし、食材の関係で「メイヨー(無いよー)」の料理もぼちぼち。
私は迷わず「麻婆豆腐」、嫁さんは「青椒炒肉」をオーダー。
1品約700円前後になるので、中国としては結構高額。
麻婆豆腐の価格は中国では安く、ちょっと高い店でも約20〜30元(約300円〜)が相場。なので倍近い価格ですね。
それでも、食に関してはケチケチしない性格の私。(食事と、旅行と、カメラにしか金使わない性格・・)
88元(約1500円)でお買い上げ!
基本的に先払いで、支払うとこのような伝票を渡されます。10分待てと言われます。(メモに漢字でそう書かれた)
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車窓を眺めながらの食事は旅情満点
日本では、食堂車なんてとっくの昔に廃止されてしまいましたが、私たちの親世代は全盛期だったようです。
新幹線・在来線問わず、急行・特急ならどの列車にも連結されていて、旅行者は車窓を眺めながら食事をすることができる。
忙しいビジネスマンは、移動中に食事を済ませることができるという優れもの。
しかし、列車の高速化と、運行区間の短距離化、短時間化により利用価値がなくなり、ついには廃止されてしまいました。
そんな食堂車ですが、ここ中国ではいまだに現役!
運行区間が長い列車が多いですし、中国人自体が「食」を重視しているのもあるのでしょうか。
何か特別なものを感じます。
これもまた、飛行機やバス旅には無い楽しみの一つでもあります。
そんなことを考えていると、いよいよ料理が運ばれてきました!
食堂車の麻婆豆腐!文句なし
美味しそうな香りとともに運ばれてきたのがこちら。
すごいボリューム・・・。
ご飯も豆腐も、量が半端では無い・・・!
そして艶のある豆腐に、香ばしい香りを放つソース。
美味しく無いわけがありません!
それではいただきまーす。
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・おおっ!豆腐が柔らかい!!!」
「ほのかに香る花椒と、がっつり響くニンニクのパンチ」
箸でつまめないほど柔らかく、滑らかな豆腐。こんなの初めてです!
そしてニンニクのパンチが効いていて、しっかり辛い。旨味もたっぷり。
「おお、さすが美食の四川省。狭い食堂車の厨房なのに、一切手抜きなし!」
次に、嫁さんが頼んだ「青椒炒肉」!
こちらも、かなりのボリュームになります。豚肉もたっぷりですね。
しっかり味がついているけど、しょっぱく無い!この手の料理って塩加減が強い店が多い気がするのですが、このシェフは腕が良く、野菜もみずみずしいまま火が通っています。
タイの寝台列車の食堂車とは大違いだ・・・(笑)
中国の食堂車はきちんとしている印象です。なのでお客さんも離れず、ちゃんと営業していけるのでしょう。一方タイは高い割に、お世辞にも美味しいとは言えず、客離れが激しくて、ついにはレンジで温めるだけの軽食サービスだけに切り替えてしまいました。
この辺りにも中国人の食へのこだわりが垣間見えますね。
ただし、中国全ての列車で提供される料理が美味しいとは限りません。運営会社やシェフにもよりますし、地域性もあると考えます。
まとめ
食堂車での飲食は、街と比べると割高ではありますが、後ろに流れていく車窓を眺めながらの食事は旅情を感じ取ることができます。
なので、単に食事のためというより「旅」というエンターメント性も考えればアリなのでは?と思います!
中国の寝台列車で旅行する際に、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
寝台車のクラスについてはこちら!
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食堂車にいる間、荷物の盗難対策は?
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