今回の旅は、チェンライ県を「メーサロン」「パーミー」「メーサイ」「チェンセーン」「チェンコーン」と車で巡り、チェンコーンからラオスに渡るプラン。
その後ラオスに入ってからは「ヴィエンプーカー」「ルアンナムター」「ボーテン」と北上、中国国境までのドライブを計画しました。
チェンコーン〜ラオスのファイサーイ間には「国境」があり、通常の旅でしたら「バス」に乗り、イミグレーションでパスポートを提出すれば簡単に出入国が可能です。
しかし私たちは自家用車で移動しているため、通常の出入国手続きよりもややこしい手順を踏まなくてはなりません。
今回私たちは、実際に自家用車で越境して無事にラオスに入国を果たしてきましたので、記事にしたいと思います。
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■目次
自家用車で越境するのに必要な準備
まず先に1点お話しておきます。
今回の記事は「タイ在住で、タイ登録・自分名義の自家用車を持っている」または「車の名義人と一緒に越境し、全区間同行する」ことが前提の記事になります。レンタカーでは絶対に越境できませんのでご注意ください。
1.車のパスポート
2.車籍ステッカー
3.一時輸出証明書
4.同乗者全員のパスポート
5.必要書類のコピー
1.車のパスポート
ラオスとタイを行き来できる「車のパスポート」というのがあります。
これは、ナンバーを管轄する陸運局に行けば、数百バーツの費用で即日〜翌日発行してもらえます。
タイ登録の車両は紫色。なので、「ナンスー・シーモアン」と呼ばれています。ちなみにラオス登録の車両は黄色。
マレーシアなど他の国に行く場合は、他の書類が必要になります。
車のパスポートの発行条件
1.名義が「自分」または「同乗者」となっていること
レンタカーや、友人の車、勤務先の会社名義の車などを陸運局に持ち込んでも、名義人や法人代表者・担当者が同行しなければ当然発行されません。
2.ローンが終わっていること
ローンが残っている状態の場合、所有権はローン会社にあるため、名義人はローン会社の名前になっています。この場合も発行されません。
3.「名義人本人」が申請すること
代理人の申請は受付できません。必ず本人が申請すること。(タイ人の場合は、代理人の申請が黙認されているようですが、外国人名義の場合は本人以外NGのようです。タイ人により盗難や横領された可能性があるためです。)
申請が終わると、紫色のパスポートが手渡されます。
真ん中にある紫色の冊子がタイ・ラオス乗り入れの「車のパスポート」になります。
ラオスには、タイのナンバーのまま乗り入れが可能です。
(マレーシア入国には、陸運局発行・車検証の英文翻訳と、黒地に白抜きのナンバーステッカーが必要。ミャンマー入国には同じく英文翻訳と、アルファベットの白いナンバープレートが必要です。)
2.車籍ステッカー
人間には国籍があるように、車両にも国籍があります。
タイ車籍の場合、アルファベットの「T」文字が書かれたステッカーを、車両の前後窓ガラスに貼る必要があります。これは、紫のパスポートを交付されるときにもらうことができます。
こんな感じに、見えやすい位置に貼る義務があります。
なんかかっこいいかも。
3.一時輸出証明書
これは、越境の当日に国境のイミグレーションで作成します。
たいていの国境には代書屋がいて、100〜200Bの手数料で完璧なものを仕上げてくれますので便利です。
チェンコーンの場合は、イミグレーションの入国審査官が代書してくれます。費用は200Bです。
4・5.コピーなど
運転者のパスポートと、同行者全員のパスポートコピー、車検証のコピーなどが必要ですが、これらをイミグレーションに持っていけばコピー屋があるので、出せば必要な分だけすべて準備してくれます。コピー代は1枚2〜3B程度なので安いです。
自分でやると不足分があったりして二度手間になるなので、代書も含めて任せてしまうことをお勧めします。
それでは、今から一緒に国境に行きましょう!
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まずはチェンコーンの国境へ行こう!
まずはグーグルマップをご覧ください。
今回私たちが泊まったホテルは旧市街の真ん中。ここから国境がある橋までは約20キロ離れており、所要時間は30分ほどかかります。
意外と遠いんですね・・。
国境に着いたら、「Private Car」という標識に沿って進みます。
イミグレーションが混んでいない時は、ゲートの真ん前に停めて大丈夫です。
そして、パスポート、車検証(タビアンロット)、車のパスポートを持ってイミグレの事務所に向かいます。
その事務所で、まずは書類を作ってもらうところから始まります。なのでいきなりイミグレーションのカウンターに行ってはいけません。追い返されるだけです(笑)
ドアを開けて中に入りましょう。
中には、入国審査官のお姉さん(時にはおばちゃん)が待っています。
お姉さんに「ラオスにいく」旨を伝え、パスポート・車検証・車のパスポートを提出します。
必要書類のコピーをまだとっていない人は、ここで詳しい場所などを教えてくれますので、まずは事務室に入って聞くのが良いでしょう。(コピー屋は一般営業しているわけではなく、イミグレの他部署でやってくれる仕組みです。その時によってコピーする部屋が変わるので、直接聞くしかありません。)
書類を出したら、手際よく必要事項を記入してくれます。
そして書類作成手数料200Bを支払い、外にあるイミグレのカウンターへ。
ここで同行者全員分の出国審査を済ませます。
税関審査を済ませよう
車はタイに戻ってくること前提の「一時輸出」という扱いになるので、帰国時に輸入関税を取られないようにする手続きをする必要があります。
申請書はさっきのイミグレで作ってもらっているので、ここでは税関に提出して審査を受けるだけです。
審査は難しいことはなく「車内」「ナンバー」「車台番号」などをチェックされる程度です。
ボンネットを開けて、チェックします。
車内も軽くチェックされます。
審査が通ったら「一時輸出証明書」を発行されますので、絶対に紛失してはいけません。
通関手数料として200Bを支払います。ノンカイのイミグレではこんな費用取られなかったのにな・・・。
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第4タイ〜ラオス友好橋で越境!
ここまでで、タイ側の出国審査は完了です。
つまりここから先は、飛行機に乗る前「出国審査」が終わり免税店が並んでいるエリアと同じ扱いになります。免税店はラオス側に入ったあたりに数件ありますが、売り物は偽物タバコと偽造のウイスキーだけなので、正直見る価値はありません。
あとは橋を渡ってラオスに入国するだけですね。
出発しましょう!
まずは橋の通行料を支払います。
普通車は50B。
右ハンドル・左ハンドルどちらでも通過できます。
係員が手を降って合図をしますので、そっちのブースに入りましょう。
これが通行料の領収書です。
念のため保管しておきます。
タイは日本と同じ左側通行、ラオスは右側通行の国なので、ここで左右が入れ替わります。
くれぐれも間違って逆走しないように!
橋に差し掛かりました。
これでタイの景色もしばらく見納めですね。
メコン川のちょうど真ん中あたり。
車を運転して他国に越境するなんて、滅多にできないことですからワクワクします!
ラオスの入国審査をしよう
橋を渡り終えてラオス側に入境しました。
ここからは右側通行なので、間違えないように気をつけます。
タイ側と同じく、車の絵が書いてある標識のブースに向かいます。
まずは人間の入国審査です。
ラオスの入国カードに記入して、イミグレのカウンターで入国審査を受けます。
タイ人は車両ブースのカウンターで審査を受けられますが、日本人を含む外国人はバスで来た人と同じブースに並ぶ必要があります。
しかしここで問題が・・
一般ブースで入国審査を受けたあとは、バス乗り場などがある、ラオスに入国した後の「内側」にでます。
しかし私たちの車はまだ入国審査前。なので、ラオスの「外側」にいます。
同行者で車の前にいる嫁さんもまだ「外側」で、しかも運転免許がないので動かせません。
周囲を見渡すと、周りは柵で全部囲まれています・・・。
仕方ないので、通行人に変な顔で見られながら柵をよじのぼり、密出国をしました(笑)
車まで戻り、ラオス側の税関まで進みます。
ここでも通関手数料200Bを徴収されました。
ノンカイ〜ヴィエンチャン国境では手数料の徴収はありませんが、ここチェンコーン〜ファイサーイの国境では必要だそうです。
それと引き換えに、ラオス国内での通行許可証を発行してくれます。この書類がないとラオスでの走行や、タイに車を持ち帰ることができません。
しかもこの書類は再発行不可能とのことなので、何があろうと紛失しないように!
そして忘れてはいけないのが「保険」
国が変わるので、その国で適用される自動車保険に加入する義務があります。
(もし保険の加入を忘れたままラオス国内を走行、検問で見つかると逮捕されます!)
手続きは簡単。
車のパスポートを出すだけで、あとは全部やってくれます。
加入日数は7日、15日、30日と選べて、有効期限が切れる前でしたら更新も可能だそうです。
私たちは念のため、少し余裕を見て15日分を選びました。
保険加入費用は680B。
7日分の方が少し安くなるようです。
手続きが終わると黄色い紙を渡され、これが保険証書となりますので、無くさないように保管します。私は車のパスポートにホッチキスで止めました。
さあ、ここまでですべての出入国手続きが完了しました!
右側通行を忘れずに!
安全運転で北ラオスの大自然を楽しみましょう!
タイとはまた違った、新しい景色に出会えること間違いなし!
バスでの移動と違い、好きな時間に好きな場所に行けて、荷物も積み放題!
余談ですが、ナトゥーイから中国国境までの道が完全未舗装の「泥の道」でして・・
雨上がりということもあり、超がつくほどの悪路!!だだっ広い平地を泥を巻き上げてかっ飛ばしました!いやー楽しい楽しい!
そしてクルマが全く違う色になってしまいました(笑)
なので、クルマを汚すことに快感を覚える変な人(私のこと?)はぜひ行ってみてください!
(ただ単に車を汚すことが好きなのではありません←これだとただの馬鹿。激しい走行によって汚れた車を見ると、すごいところを走ったんだな〜という充実感があるっていう意味です。オフロード好きなら分かるはず!)
(普段はオフロード行かないので、コストを下げるために普通のタイヤで走っています)
チェンコーン国境でタイからラオス越境にかかる費用
タイ側
書類作成費用 200B
通関費用 200B
コピー代 約20B
橋の通行料 50B
ラオス側
通関費用 200B
保険加入費用 680B
合計 1350B
(タイに帰国時は、ラオスの通関費用200Bのみ 行きと帰りの合計 1550B)
(チェンコーン国境の場合の費用です。ノンカイの場合はもっと安く済みます)
自家用車を運転してラオスに越境する時の注意点
1.受け取った書類・書類の控えなどは絶対に紛失しない!
これらを無くすと、再びタイに車を戻すことができまくなります。解決するには両国の大使館をはさんでの大仕事となり、莫大な費用が発生します。
2.同行者は途中リタイヤできない!
車で一緒に越境した同行者は、タイに戻る時にも同行しなくてはいけません。途中で分かれて別ルートということは原則できません。
3.現地で車を処分できない!
万が一事故にあって、車が全損した場合、その事故車の車体と部品をすべて揃えてタイに持ち帰る必要があります。その場合のレッカー費用などは自己負担です。破損した部品がかけている場合は、その足りない部品をラオスに輸出したことになってしまいます。
車が盗まれた場合は、その車を取り戻すか、ラオス国境で「アセアン一時輸出協定」の違約金を支払うまで出国させてもらえません。
またタイに帰国時も同様です。
4.事故には細心の注意を!
上記の理由のほか、ラオスでは軽微な物損事故であっても、もし加害者として裁判を起こされたら拘束され、すべてが終わるまでの出国は認められません。裁判には通常3ヶ月〜1年近くかかります。
また、被害者・加害者の一次判定は、当事者または現場の警察官が判断することになります。保険会社に連絡を取り、判断をもらうまでは勝手に謝罪してはいけません。謝罪1つで「加害者」であることを認めたことになります。
しかしケースバイケースになりますが、明らかに軽微な事故(バンパーに軽くこすった、停まっているバイクを倒した等)の場合は、こちらの過失の有無にかかわらず、修理代や示談金として「お金」を渡して立ち去ることも可能です。運転者が外国人の場合は、結果としてこの方が有利な場合もあります。
まとめ
今回は、タイ〜ラオスへ「チェンコーン国境」から自家用車で越境する方法を説明しました。
これまで数々の国境を車で通過してきましたが、同じ国同士であっても国境によってルールが少しずつ違うことが分かりました。
もしタイ在住の方が、自分の車でラオスに越境したい!と思ったら参考にしてくださいね。(2018年9月時点での状況です)
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