この日はお昼過ぎにタイの「チェンコーン」から国境を越え、ラオスに入国。ラオスはボケオ県の「ファイサーイ」にたどり着きました。
自家用車での国境越えについては前回の記事「チェンコーンからラオスに自家用車で越境ドライブ!その手順・費用・必要書類など」をご覧ください。
ルアンナムターまでの距離は約180キロ。
およそ4時間のドライブです。
それでは出発しましょう!
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ファイサイからの道は大型車が多いので注意!
ファイサイ国境を出発した私たちは、ファイサイの市街地には寄らずにそのまま国道3号線を北東に向かって進みます。
目的地の「ルアンナムター」までは約180キロ。
途中ヴィエンプーカーの町から先は、ナムハー自然保護区の中を越えていきます。
しばらくすると、車線は片側1車線の山道に突入。
ファイサイ側からの道のりは、山をいくつか越えるのでアップダウンが多いのですが、標高を上げていくため基本的には上り道になります。
途中、タイのナンバーや、中国のナンバーをつけた大型トレーラーと頻繁にすれ違うのですが、対向車は急な下り坂を猛スピードでバンバン走ってきます。カーブが急なので、内輪差ではみ出してくるし、かなり危険ですね。
(帰り道にトレーラーの後ろを走りましたが、彼らは急カーブが右に左に続く山道を、なんと100キロ近く出して攻めていきます!)
このような山道がずっと続きます。中国からタイ、そしてマレーシア・シンガポールまでを結ぶ、アジアハイウェイを補完する国際道路として機能しています。
交通量自体はそこまで多くはありませんが、割合的には大型トレーラー率が高いのです。
途中国道沿いの小さな村や集落をいくつも通過します。しかし大型車は子供が道路で遊んでいても、スピードを緩めることなく100キロで突っ込んでいきます。
ここである言葉をふと思い出しました。
「国力」
ラオスは外貨獲得、経済発展のために、中国からラオス国内を経由してタイまでを結ぶ流通経路を提供しましたが、実際のところ国や役人は潤うかもしれませんが「ラオスの庶民」に落ちるお金はごくわずか。
なので、これによって「ラオスの庶民」が負う「リスク」は全然割に合わないのでは・・?。
実際に今回走行中に危険なことがたびたび起こりました。
ある小さな村を通過するときの事です。
道路上に子供が何人かいたので、それまで快調に走行していた私は、ブレーキを踏んで徐行しました。すると次の瞬間、後ろから猛スピードで迫ってきた中国ナンバーのトレーラーが「ブブブーーーーッツ」と大きなクラクション!
トレーラーは急ブレーキを踏みながらハンドルを切り、対向車線にはみ出しながら、何とか私たちの車をよけることができました。
対向車がきていたらあわや大惨事・・。
トレーラーの運ちゃん、窓を開けて中国語で何やら大声で叫んでいます・・。
私「あいつめっちゃキレてる・・」
その瞬間です。うちの嫁さんもキレて、窓を開けてタイ語で怒鳴り返しているので、慌てて静止しました(笑)
普段は温厚な嫁さんですが、しっかりとタイ人の血が流れています。パロマやリンナイの瞬間湯沸かし器もびっくり。
タイ人は、子供やお年寄り・けが人・妊婦さんなど「弱者」が危険な目にあうことが許せないのです。なので、子供がいる真横で傲慢な走りをしたトレーラーを見て怒り、運ちゃんの言動が引き金になって一瞬で頭に血が上ったようです。
でも知らない町でケンカはだめですよ!
もしケンカになって警察沙汰になったら、こちらの方が分が悪くなるのが直感で分かりました。相手は中国の国有企業の社員。こちらはタイからの一般旅行者。担当警察官が「上の顔色を伺う」人だったら、こちらが不利になることも考えられるからです。
東南アジアはそういう事が多々ありますし、今までに何度も経験していますからね・・。
「私の正義は、相手の正義ではない」
これはタイに住むまでは意識してなかった事ですが、「正義」の反対は「別の正義」と誰かが言っていまして、全くその通りだと感じました。
向こうの運ちゃんからしたら「そもそも、前の車が徐行なんかしているのが悪いんだ」ということでしょうか。(普段ここで徐行するクルマなんていないから)
どうも納得いきませんが、ここの交通はこのやり方で回っているので、あきらめて郷に従うしかありません。
さて、気を取り直して先に進みましょう!
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ファイサイからの中間地点「ヴィエン・プーカー」
先ほどの村から20分ほど進んで、次の村を通過します。
さっき危ない目にあったので、後ろにトレーラーが迫ってきたときは、路肩に寄って道を譲り、先に行かせます。
そうしている時、路肩の草むらで、何か動物が草を食べているのを見つけました。
・・・ん・・?これは子牛ですね!
尻尾を振りながらむしゃむしゃと食べています。
「ハロー」と声をかけるも無視!(笑)
これは何だ!
バッファロー?水牛?
ちなみにタイでバッファローといえば、かなり強烈に相手を罵る言葉。つまり「体ばかり大きくて、力だけ強くて、大して役に立たない」という意味になります。絶対に使ってはいけません!
しつけが良いのか、ちゃんと路肩に寄って歩いていますね。
飼い主はどこに行ったのか?まさか放牧?
このように、のどかな風景が広がります。
後ろからトレーラーが来たので、また路肩で休憩。
うん、こうするのが一番安全!ここは今回初めて走る道なので、景色を楽しみながらゆっくり走りたいのです。
雨上がりなので、ところどころ路面が濡れています。
「ヴィエン・プーカー」の町に到着。
ファイサイからルアンナムターまでの道中、ちょうど半分くらいですね。
木造の古い家屋が並んでいます。
なんとなく、日本の田舎にも似ている気がするのは私だけでしょうか?
家の作りも景色もですが、私の親戚の住む宮城県もこんな風景が広がっています。タイの田舎と違って、ここはあまり東南アジアっぽくないんですよね。
私が子供の頃に見た風景そのものです!なんとも懐かしいですね。
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雨の中ルアンナムターまで急ぐ
ヴィエン・プーカーを出発してから小1時間くらい走ったでしょうか。
途中から空の色がだんだん重くなってきました。
山の天気は変わりやすいのですが、今は9月、ちょうど雨季でもあります。
この国道はただでさえ見通しが悪い山岳路線。しかも途中はガードレールがなかったり、砂利道が出てきたりとコンディションが良くありません。
そう思っていると、ポツポツとフロントガラスを叩く雨が・・。
ついにきたか・・と思う間もなく、次の瞬間「バチバチッ」と大粒の雨が落ちてきて一瞬で視界が奪われてしまいました。
スコールです。
東南アジアの雨はスコールになることが多く、スポット的に豪雨が降ります。日本でいうゲリラ豪雨の強烈版ですね。
そのまま走り続けること10分くらい。急な上り坂が終わると、道は山側から谷側に変わり、今度は下り坂に入ります。峠を越えたのでしょうか。
それまでは真っ黒だった空ですが、急に晴れ間が戻ります。
山の反対側に出たんですね。
山を下り、約30分ほどで田園地帯に入ります。
ルアンナムター市街まであと5キロです。
燃えるような赤い夕焼け。
縦に暗くなっているところが、現在スコールが降っているエリアですね。目で見て分かります。
ファイサイから4時間。途中にトンネルなどありませんでしたから、遠くにそびえる山を登り、ここまで越えて来たんですね。
市街地に入り、予約しておいたホテル「ドクチャンパ・ホテル」に向かいます。
施設は古いですが、ルアンナムターの中では比較的大きいホテルのようで、専用駐車場もあることからここを選びました。
近くには夜市や売店もあり、徒歩で散策するには便利な立地です。
まとめ
自分で車を運転してタイ〜ラオスとドライブ!
この日はファイサイの国境から北ラオスのルアンナムターまで180キロ、無事に走破しました。
明日はいよいよ中国国境に向けて出発します!
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