先日のこと。
急遽日本に帰る用事ができたため、いつも使っているLCCの「エアアジア」をチェックしましたが、直前の予約だと運賃が高く、往復で5万円代・・。
LCCのクセに、なのに、レガシーキャリアのANAにも迫る価格に唖然としながら、他にいい航空券がないか「スカイスキャナー」で検索しました。
すると「バンコクー羽田」「往復」の条件に合う「安い順」リストの上位に登場したのは、「28800円」の航空券!
航空会社は「中国東方航空」・・・。
うーん。
あまりいい評判は聞かないけどなあ・・。
しかし、その価格の安さは魅力的!そして他に安い航空券の選択肢がないということもあり、ポチッと購入!
そして実際に搭乗してみた結果から言います。
「中国東方航空、けっこう使えるじゃんか!」
もちろんその人が求めるものによって、いい・悪いの判断材料が違ってきます。
今回の記事では
バンコクから東京まで中国東方航空を使うメリット・デメリットは?
中国東方航空の悪い評判ってどんなの・・?
実際に乗ってみてどんな感じ?
中国東方航空の利用に向いている人・いない人は?
といった内容についてお話ししたいと思います。
▼▼▼
ここ数ヶ月の間、中国東方航空の経由便がなぜか高い・・!
他に出てくる安いチケットは「ベトナム航空」で、実際に利用して見たところなかなか良かったので、いずれ記事にしたいと思います。
なので、タイ〜日本を安く移動したい方は選択肢に加えてみるのもアリだと思います。
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■目次
バンコクから東京まで中国東方航空を使うメリット
どんな移動手段や航空会社でも、パーフェクトのものはありません。
それぞれメリットやデメリットがあり、それを考慮した上で、自分のスタイルに合っているかどうかを判断する必要があります。
ここからは、バンコクから東京まで中国東方航空を使うメリット・デメリットについて検証した結果をお伝えしたいと思います。
1.価格が激安!
なんと言っても、この安さ目当ての人が多いのではないでしょうか?
バンコクから東京へは、いろいろな航空会社が飛んでいるので、お金に余裕がある人はレガシーキャリアの直行便を利用すれば済む話です。しかし、移動費を少しでも節約したいからこそ、経由便などのなるべく安い航空券を探すわけですよね。
今回チェックしたバンコクー東京(羽田)往復航空券は、なんとこの日だけ28800円!LCCの王者・エアアジアの安い時の運賃に匹敵するほどの価格です。
通常でもだいたい往復で35000円程度に収まるのが中国東方航空の魅力です。
2019年10月追記→最近はなぜか高い傾向にあります。往復で約4万越え、一方ANA直行便が5万円前後まで下がっているので、悩みどころです。
2.羽田便が使える!
LCC利用の場合、日本での空港は成田、タイでの空港はドンムアンになります。成田は都心や私の地元・横浜まで遠いですし、ドンムアンは中国人が多くて入国審査の時間がかかりすぎます。
対する中国東方航空は、タイではスワンナプーム空港、日本では羽田と成田を選ぶことができます。
これは結構大きいです!
3.一応レガシーキャリア
良くない評判も多々ありますが、中国東方航空は一応レガシーキャリア(フルサービス)の航空会社です。
4.機内食や飲み物、各サービスが無料
私は、普段からLCCのエアアジアを頻繁に利用していますが、LCCの場合は機内食、飲み物、水や毛布ですらすべて有料になります。
美味しいかどうかは別として、これらが無料で配布されるのはありがたいことですね。
5.預け荷物が無料!
私が今回注目したのはここです!
エアアジアなどのLCCだと、荷物を預けるだけで片道約3000円〜10000円前後の追加料金が発生してしまうんですね。私の場合、タイ在住ということもあり、タイから日本へ、そして日本からタイへ運ぶ荷物が膨大な量になります。
そして、中国東方航空のサイトを確認すると、驚くべき事実が・・。
中国東方航空 の公式ウェブサイトより引用
「エコノミークラス」でも、預け荷物が「2」個までOKなんですね!しかも、1点あたり23キロまで預けられる。
合計23キロじゃないですよ。1つにつき23キロ、2つ合わせて46キロ!
いつもはエアアジアの荷物オプションを40キロ分購入していた私としては、これは嬉しい限りです。
なので、今回の出発時の荷物はこちら。
スーツケース1つあたり22.5キロくらいに調整して2点。機内持ち込み用で、カメラを入れるバックパックとパソコンバッグ。
これだけの荷物を追加料金なしで運べるわけです。
ただし、以下の点に注意が必要です。
中国東方航空 の公式ウェブサイトより引用
LCCではOKの「3辺の和が200センチ」を超えるスーツケースは無料での預け入れができず、別料金になってしまう点。
158センチ以内のスーツケースが2個まで、1個につき23キロ。これがルールになります。
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バンコクから東京まで中国東方航空を使うデメリット
これだけ安い航空券なので、直行便のJALなどと比較したら当然デメリットがあります。
ここでは、中国東方航空を使ってみた上で感じたデメリットをお伝えします。
1.乗継便であるゆえ時間がかかる
直行便ではないので、途中上海などの空港で乗継が発生します。なので直行便と比較したら当然時間がかかります。
2.遅延があったら乗り継げないリスクがある
乗り継ぐ前の便に遅延が発生した場合、後続の飛行機に間に合わない場合があります。その時は、利用者のミスではないので次の便に振替してもらえます。
しかし、これが年末年始や中国旧正月などの多客期だった場合、満席だと振替ができず、空席ができるまで1日〜数日待たなければいけないリスクがあります。
3.日本語が通じない
中国の航空会社なので、日本語はほぼ通じないと思って良いでしょう。なので何も問題がなく目的地に到着できれば良いのですが、何かしらのトラブルがあった場合(遅延や、着陸空港チェンジなど)は対処する難易度が上がります。
今回は特に問題ありませんでしたが、冬季などは、天候や大気汚染による視界不良で、着陸空港の変更がたびたびあると聞きます。
4.日系の航空会社よりサービスが落ちる
これは仕方ないことですね。普段LCCを利用している私からしたら、特に気になる点はありませんでした。しかし、日系の航空会社に慣れている人からしたら「何だこりゃ」と思うことがあるかもしれません。(意外とちゃんとしているように感じましたが・・)
5.上海で空港が変わる場合は注意
上海には、市内に近い「虹橋(ホンチャオ)」空港と、市街地から離れている「浦東(プードン)」空港の2種類あります。
バンコク便は浦東空港が発着なので、日本便も浦東を選べば問題ないのですが、日本便を虹橋にしてしまうともう大変!出入国審査が必要ですし、大量に荷物を持った状態での移動、チェックインで長蛇の列・・。
実際に、今回「虹橋ー浦東」移動を体験しましたが、ひどいものです・・。結果、浦東からのバンコク行きに見事に乗り遅れました・・!!(なんと無料で振替してもらえました。この日飛行機の遅延はなく、本来ならこちらの落ち度なので、規約上は買い直しになるところでした)
詳しくはこの記事をご覧ください・・。
6.機内が騒がしい
中国のお国柄、乗客の話し声が大きい(笑)なので、ゆっくり寝たい人にはきついかも・・。
今回利用してみて、私が実際に感じたデメリットは以上です。
7.中国発の便は機内にライターの持ち込みが完全NG
喫煙者の人で、ライターを持ち歩いている人は要注意です!中国で乗り継ぐ際に、ライターは没収されてしまいます。なので、高級なライターや、思い出のあるライターを持っている人は中国経由便に搭乗しない方が良いでしょう。
中国東方航空に限らず、途中で乗継がある便に搭乗する時は、最初に出発する空港免税店で、酒類や化粧品、ゼリーやペースト状の食品など「1品につき100mlを超える液体物」を購入してはいけません。
乗り継ぐ空港で再度手荷物の保安検査があるため「没収」対象となります。(私は以前キャセイパシフィックの香港乗継で失敗、お土産の日本酒を没収されました・・)
また液体物の内容量がパッケージに記載されていない場合も同様です。お土産の菓子などに付属する「ソース」などがこれに該当します。
そして要注意なのが「信玄餅」や「東京ばなな」など。水分を多く含む「餅」や「あんこ」「ソースが付属する」「中がクリーム状」など、液体物持込み規定ギリギリの食品は、乗継国の保安検査規定や係員の裁量によって対応が違います。包装されているため、また日本語が読めないため、内容物が本当に食品なのか、偽装された危険物なのかを判断できないことが理由です。(途上国などでは、検査員が日本のお菓子を個人的に食べたいから、理由をつけて没収するケースもあります。私はマニラでやられました。)
その場合は全品開封から始まり、試食や、最悪は廃棄(献上?)させられることもあります。
酒類や化粧品など液体の免税品は、最後に乗継ぎをする空港で購入してください。また、上記に該当する菓子などは、出発空港の保安検査前に購入し、預け荷物の中に入れることをお勧めします。
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中国東方航空の悪い評判ってどんなの?
ネット上には「中国東方航空」の悪い評判が書かれたブログや記事がたくさんあります。
それがどんなものなのか検証してみましょう。
「よく遅延する」
時間に余裕がある人なら問題ないですね。スケジュールが詰まっている人は初めから日系の直行便を利用すれば問題を回避できます。
「遅延時の対応や補償が悪い」
海外では、ただ待っていればサービスを享受できる国は少ないです。実際に私は今回乗り遅れましたが、自分から片言の英語と筆談で係員に聞き回って、無事に後続の便に振替してもらえました。確かに「たらい回し」感はありましたが、中国に限らずタイでもよくある話なので、そんなもんだと受け入れました。
もし補償してもらいたいのならば、遅延補償付きの保険に加入する方がいいですね。私は、補償なんて最初からアテにしていませんでした。
「機内がうるさい」
これも覚悟の上で乗りました。確かに騒がしいですが「この人たちはこれから旅行するんだから、きっと嬉しくて仕方ないんだな・・」と理解したら、逆に微笑ましくも思えました。(これはタイに住んで、騒音には慣れたからかな・・?)
他にも多数見つけましたが、だいたい似たような評判でした。私はこれらを把握した上で利用したので「ああ、こんなもんだ」という感想です。
中国東方航空ってどんな感じ?至って「普通」の飛行機
私の場合、普段はLCCのエアアジアを利用して日本に一時帰国していたので、久しぶりのレガシーキャリア。
まず感じたことは「足元が広い」!
LCCと比べると、エコノミーでも足元の幅が格段に広く感じます。
案内とかは至って普通です(ただし中国語と英語)し、飲み物や食べ物は無料!(あんまり美味しくないけど)。
CAさんはエアアジアよりも落ち着いていて、やや腰が低い感じがしました。
一方、いつも使うエアアジアのCAさんはフレンドリーで、ユニフォームや髪型は「可愛い」けど、お客さんと乗務員は対等というスタンス(むしろエアアジアは乗務員の方が上というのを無意識に感じる)なので、中国東方航空(上海航空)のCAさんの方が感じは良いです。
あとは、日本語が通じないのはいつものことなので、特に気になりません。ただ機内でタイ語も通じないのはちょっと不安でしたが・・。もちろん英語は通じます。
コードシェア便の「上海航空」だったので、座席モニターはついていませんでした(帰りの便はついていました)が、いつものエアアジアにもついていないので問題なし。ついていても、私は飛行地図しか見ないので特に必要ありません。
こんな感じで、私が中国東方航空を利用した際に感じたことは、可もなく不可もなく「普通〜!」でした(笑)
それでは、これらの点と、メリットとデメリットなどを総合的に判断して、向いている人・向いていない人を検証してみましょう。
中国東方航空の「バンコクー上海ー羽田便」が向いている人
まずは、一般的なJALやANA、タイ航空のバンコクー東京往復航空代は概ね6〜7万円。対する中国東方航空は概ね3万5千円。この差額に価値を見出せるかというところが焦点になります。
また、中国東方航空とLCCも比較してみて、運賃がほぼ同じの場合で、預け荷物がない人は、LCCの方が直行便の分だけ楽です。
乗継便でLCC希望で羽田希望なら、エアアジアのマレーシア・クアラルンプール乗継便という選択肢もあります。
1.お金を節約したくて、時間に余裕がある人
主に学生さんとかフリーター、会社を辞めた旅人、予定が詰まっていないフリーランスの人(私もここに含まれます)など、時間の余裕がある(時間に制約がない)人にはおすすめできます。もし遅延しても、数時間〜1日くらい待てば次の飛行機に乗れるわけですから。
つまり、スケジュールが1日2日くらい遅れたって後から取り戻せる人・影響がない人ですね。
2.荷物がかなり多く、お金も節約したい人
荷物が多い人だと、LCCと使う場合追加料金がかなり加算されてしまいますね。私みたいに、スーツケース2個とか、ダンボールなどの荷物がある人は、中国東方航空を利用することでだいぶ節約につながります。
3.お金を節約したく、羽田も使いたい人
わがままな願いですが、これも中国東方航空なら実現します。
4.海外に慣れている人
日本以外・海外のサービスに慣れている人なら、特に違和感なく利用できるのでは?と思います。また海外に慣れていれば、トラブルがあっても簡単に対応できますので、遅延や乗継不良があってもそこまで苦戦することはないでしょう。
主に上の4つのどれかに当てはまる人なら、中国東方航空を検討するのも良いと思います。また、4つ全部当てはまる人は間違いなく中国東方航空がオススメです!
逆に、中国東方航空の利用は向いてないだろうな・・という人も検証してみました。
中国東方航空の「バンコクー上海ー羽田便」が向いていない人
1.お金に余裕がある人
そもそも運賃が3万円か6万円か程度の違い、差額はたった3万円なので、それを節約したいと思わない人(余裕がある人)は中国東方航空を検討する意味がありませんね。
2.時間に余裕がない人
会社員やビジネスマンなど、スケジュールが崩れることが許されない人には、この選択肢はお勧めしません。遅延や運休などで予定が狂うリスクが大きすぎます。
また、到着後にすぐアポがある、決まった予定がある人もお勧めしません。
ちなみにですが、これに該当する人はLCCもお勧めしません。私の場合、仕事の予定で搭乗する時は、LCCはもちろん乗継便は使わず、JALがあるならJAL、なければその区間を飛んでいる航空会社で一番信頼できる会社を使います。
その理由は2つあり、遅延リスクを減らすため、もう1つは万が一の遅延や運休時に、クライアントさんからの信頼を守るためです。(それでも、スケジュールに余裕があれば1日以上予備日を入れて移動しますが・・)
JALとかでも遅れたり運休することはありますが、万が一これが理由でアポや仕事を飛ばしてしまった場合、LCC・乗継便利用のケースと、JALやANAなど利用のケースとでは「クライアントさんの心象」が全然違います。
遅延や乗継不良のリスクが高いのを分かってて、その便を選んだ責任は自分にあるわけですから、リスク管理ができない人と思われて当然です。航空会社のせいにしてはいけません。選んだ自分が悪いのです。(私はフリーランスのため、自分が搭乗する飛行機を選ぶところから、すでに仕事は始まっています。)
到着日のホテルやレンタカーなどを予約済みの人は、もしフライトが遅れたり、乗継ができなかった場合、ホテルなどにキャンセル料を徴収されることも覚悟しておかなければいけません。
3.海外が初めての人で、英語も中国語も全く分からない人
もし乗継に自信がなくても、価格や荷物制限のゆるさに魅力を感じるならば一度チャレンジしてみたらいいと思います。同じ空港内での乗継なら基本は「面倒臭い」「時間がかかる」だけなので、難しいことは特にありません。しかし、海外が初めての人、または英語や中国語が全く分からないならばあまりお勧めしません。
万が一の乗継不良の際、対応するハードルがかなり高くなります。(だいたいは係員にチケットや予約表を見せて、日本語でもなんでも、意思をアピールすれば何とかなりますが、自分のミスで乗り遅れた時には、多少の英語と交渉力も必要になります・・。今回乗り遅れて痛感しました。)
なので、どんな人でも「虹橋ー浦東乗継」はお勧めしません!私は今回懲りたので、次回は「浦東ー浦東乗継」で行こうと思います。
この理由は、次の記事 「上海虹橋から浦東乗り継ぎ便で飛行機に乗り遅れた!その理由と対処法について」 に詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。
4.日本式サービスを求める人
あくまでも中国の航空会社なので、日本のサービス水準には達しません。
5.機内では静かに過ごしたい人
周りは中国人だらけなので、離陸から到着まで騒がしいです!みんな旅行で、いつも以上にテンション上がっているんですね・・!
まとめ
これらのことを統合すると、
時間には余裕があり、節約派で、荷物が多くて、ちゃっかり羽田も利用したい!という人にはぴったりの航空会社ですね!
今回実際に利用してみた結果、メリット・デメリットを理解した上で選択肢に加えれば、意外と使えるのでは・・?と思いました。私的にはけっこう気に入ったので、今後の一時帰国は中国東方航空を利用しようかなと考えています。
少なくとも荷物が2つ合計46キロまで無料なのと、羽田が使える件はメリットがかなり大きいですね。
2018.12.19追記
中国東方航空や、スカイチームの航空会社の上級会員がもらえるクレカ「デルタ・アメックスゴールド」に申し込みました!
これで次回のフライトからは「チェックインの行列」などを考慮しなくて済みます。預け荷物は1個追加になり、合計3個、69キロまで運べるようになりました!
私みたいにバンコク在住で、できるだけ多くの荷物を日本から運びたい!という人は検討してみてはいかがでしょうか?
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