「カオソイ」は主にチェンマイなどの「北タイ」エリアで食べられていまして、カレーベースのスープにコシのあるたまご麺。これが一般的によく知られるカオソイになります。
しかし「北タイの東部」から「北ラオス」にかけてのエリアでは、全く違った味のカオソイが食べられています。
今回私たちは、北タイのチェンライ県からラオスに抜けるルートで旅をしまして、何度もこの「ラオス式カオソイ」にお世話になりました。
ラオス式カオソイとは、いったいどんな食べ物なのでしょうか?
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■目次
カオソイは地域によって2種類ある!
まず、タイやラオスは陸続きの国なので、地域が変わると隣国の食文化の影響を受けやすいということがあります。
北タイの西側にはミャンマー、さらに西には、インドやバングラディシュなど「カレー」で有名な国が続いています。当時王朝があったチェンマイとその周辺では、交易や人の往来も活発だったこともあり、西にある国々の影響を受けた料理が数多くあります。
カオソイもそのうちの一つ。
こちらの写真は、チェンマイで食べられる「カレー味のカオソイ」です。
一方、北タイの東側にはラオス、その北には中国大陸があります。この北ラオスエリアでは中国の影響を受けた食べ物がたくさん存在します。
当時18世紀から20世紀まで続いた、ラオスのルアンパバーン王国周辺で食べられていたのは、中国のスパイスを使い、ひき肉を強火で炒めた「担々麺」のようなヌードルがメインだったそうです。
これが北ラオス全域からメコン川を渡って北タイの東部にまで広がり、こちらも呼び方は「カオソイ」となったようです。
この写真は、北タイ東部「ゴールデントライアングル」で食べた「ラオス式カオソイ」です。
このように、北タイでは古くから東西文化の交差点となり、現代でも地域により2種類のカオソイが存在するのです。
ラオス式カオソイってどんなもの?
一言で言えば「担々麺」に近い味です。
麺は柔らかくて幅広の「きしめん」タイプの米麺。具材は炒めたひき肉と刻みネギ、そしてもやし。
今回の旅でいろいろな店で食べてみた結果、どの店でもこのスタイルでした。
担々麺とはいっても、日本でよくある濁った「ごまスープ」ではなく、クリアな透明のスープ仕様になります。
赤い油が多少浮いていますが、辛さはほとんどなくて、日本人の口にもよく合うのではないかと思いました。
北ラオスの食堂は、このカオソイが主流のようです。
逆にベトナムに近いエリアになると、カオソイではなくて「フー」というヌードルに変わります。ちなみに「フー」とは、ベトナムで有名な「フォー」がラオス語の発音に訛ったものです。
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ラオスのレストランでオーダーに苦戦する!
北タイの東部では、呼び方がいくつかあります。
「カオソイ・ラーオ」
「カオソイ・ルアンパバーン」
この2つが多いようですね。ラオスでは普通に「カオソイ」で通じます。
今回ファイサイからルアンナムターに向かう途中で立ち寄った、ヴィエン・プーカーという小さな町で見つけた食堂。
ここにも、もちろんカオソイはありました!
食堂と言いましたが、この町で一番大きなレストランだそうです。
確かに客席がたくさんあり、奥には団体さんのセットがしてありますね。
聞けば、このあと町役場の職員が宴会をするそうです。
昼間っから・・(笑)
ラオスの田舎にある食堂やレストランではメニューがない店も結構ありまして、料理のオーダーに苦労します。
ラオス語の料理名や調理法を知らないと、オーダーができないのです。
客席にはショーケースになっている冷蔵庫が置いてありまして、その中から食べたい食材を選ぶスタイルです。
注文後でないと金額もわかりません。
そして英語も一切通じません・・。
幸い、ラオスではタイ語が第二言語になっているので、ゆっくり話せば通じます。
店員さんと嫁さんが適当にペラペラ話していますが、うちの嫁さん「早口」なので、店員さんが聞き取れず、困って苦笑いしています・・。
(そういえばこの人、以前マレーシアや中国に旅行に行った時でも、食堂でもバスターミナルでもタイ語だけで無理やり押し切ってたな・・。)
中国国境のボーテンで、言葉が通じないのに厨房で直接シェフに指示を出して四川料理を作らせた時の記事↓
とりあえず、カオソイを食べたいという希望だけ嫁さんに伝えて、あとは任せましょう・・。
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ラオス式カオソイを食べよう!
それから10分ほど経過しました。
運ばれてきたカオソイはこちら!
見事に「担々麺」です!
麺はきしめんのような幅広の米麺。
それではいただきまーす!
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・味はシンプル。薄味。見た目よりも優しい味。だけど挽肉の旨味がよく出ていてうまい!」
味の濃さは、卓上にある調味料で調節できます。
エビの塩味ペースト「ガピ」も置いてあるので、好みに応じて使いましょう。
嫁さんが頼んだのかこちら。
カオピヤックですね。
米麺だけで作られるクィッティアオとは違い、タピオカの粉を混ぜて作られているため、もちもちとした食感が特徴です。タイでは「クィチャップ・ユアン(ベトナム式のクィチャップ)」と呼ばれています。
こちらもあっさりしているので食べやすい!しかし基本パクチーが入っているので、苦手な人もいそうですが・・。
ラオスの田舎料理は素朴なおいしさ
カオソイを食べている時に、新たに2つ料理がはこばれてきました。
まずはこちら。
シンプルなたけのこ!
一緒に運ばれてきた「ナムプリック」というタレに付けて食べます。
このナムプリック、唐辛子を一緒に練っているので、非常に辛い・・!
タイで食べるナムプリックと似ていますね。しかし料理全体を例えると「タイ」の料理は全体的に尖った味。「ラオス」の料理はマイルドな味。
味付けは似ているけど、食べた感じは全然違います。ラオスの方が胃に優しそうな味です(笑)
それに見た目はあまりこだわっていないので、料理から素朴さが伝わってきます。
これは「地鶏」の丸ゆで。
もうそのまんまですね!茹で上がった地鶏を、包丁で叩き切っただけの料理。
しかし、これがまたうまいんです。
肉が柔らかく、適度に歯ごたえがある。
これをさっきのナムプリックにつけて食べるのです。
お会計はタイよりも高いラオス
タイの食堂と同等くらいの店でも、ラオスの方がやや高くなります。
理由は、1品あたりの量がタイより多いこと。タイの食堂では、皿に盛られた料理の量が少ないですからね。
もう一つは、ラオスはタイよりも全体的に物価が高いのです!
ラオスでは食料も含めて、生活用品のほとんどを輸入に頼っているので、それに合わせてレストランでの飲食代も当然高くなります。
ガソリン代もタイの方が安いので、もちろん運送費も高くなりますね。
そして、今回のお会計。
約500B!(ビール1本込み)
タイで同じくらい頼んだ時と比較すると、約100Bほど高いのでは?と感じました。他の店でも同様なので、特にぼられたわけではなさそうです。
とは言っても、数百円の話なので誤差の範囲ですね!
ちなみに、チップは不要です。
まとめ
ラオス式カオソイは、まるで担々麺を食べているかのような味だった!
あっさりなのにスープに深味があり、そんなに辛くなく非常に食べやすいです。
チェンマイで食べられているカオソイとは全く別の食べ物です。
また、ラオスの田舎料理は、素朴でマイルド。おなかに優しい味付け!タイで辛いものばかり食べて荒れた胃を少し休憩させましょう。
北ラオスや北タイ東部に行く機会があれば、ラオス式カオソイをぜひ試してみてくださいね!
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