前回は、タイ〜ラオス国境の「ファイサイ」から、北ラオスの「ルアンナムター」までのドライブについて記事を書きました。
大自然の中を走るルートで、途中悪路もありましたが非常に楽しいドライブでした。
さて、この日は朝ルアンナムターを出発して、中国〜ラオス国境の「ボーテン」まで行ってみたいと思います。
前回の記事はこちら!
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■目次
ルアンナムター〜ボーテンまでの道のり
この日朝の天気は晴れ。
ホテルの窓を開けると、やや冷えた空気が部屋の中に入ってきます。しかし大通りに面しているので埃っぽくて、すがすがしいとは言えません(笑)
9月この地方の気候は「雨季」。
朝は晴れて、夕方からは短時間の雨というサイクルを繰り返すのです。雨が降った後の気温は23°C前後まで下がります。なので早朝は比較的涼しくて気持ちがいいのです。
さあ、まずはグーグルマップで今日のルートを確認しましょう。
ルアンナムターからボーテンまでの距離は約60キロ、所要時間は約1時間半という事が分かります。
途中のルートを見ると、これもまた結構な曲がりくねた道が続きますね・・!
ホテル前の売店で飲み物とお菓子を調達して、いざ出発です!
まさかの土砂崩れで通行止め・・2時間で開通!
ルアンナムターを過ぎてからしばらくは、急な登り坂は無く、川に沿って走る渓谷ルート。
渓谷といえば綺麗な絶景のイメージですが、ここラオスの川は茶色く濁っていて、水が綺麗ではありません。それでも絶景には変わりありませんが・・。
この区間は非常に道が狭い!対向車とすれ違うのがやっとです。
そのためファイサイ〜ルアンナムターのルートでは、偉そうに傲慢な走りをしていた大型トレーラーたちも、ここでは実におとなしい!ガードレールがない箇所も多くあり、その下は数百メートルもありそうな谷底なので、当然みんな慎重に走ります。
出発から約30分。
前が渋滞してきました。対向車のすれ違いに手こずっているのでしょうか。
狭い山道ではよくある事なので、気長に待ちましょう。
しかし、30分経っても1時間経っても動く気配がありません。嫌な予感がしてどうも気になったので、車を降りて様子を見に行く事にしました。
20台くらい先で見た光景は・・・。
まさかの「土砂崩れ」!!道が茶色い土砂で埋まっています。それをブルドーザーで掻き出す作業をしている真っ最中。
昨日の大雨で地盤が緩んだのでしょうか。
これは運がないな・・・、しかし戻るにしても、後ろに車が並んでいてUターンもできない。。
と思っていると、車が少しずつ前に進み出しました。
「・・・ん???」となっていると、いよいよ自分の番。
どうやら復旧作業が終わったようです。
対向車とゆっくり交互にすれ違います。
泥にまみれた道路。バイクがフラフラと転びそうになりながら走っています。
完全に復旧したわけでは無く、現時点ではあくまでも応急処置のようです。
現場を通過中にまた崩れる可能性もあるわけですから、ちょっと怖いですが・・。
なんとか無事に通り過ぎ、ホッと一息。
このあたりは、昔から住む「山岳少数民族」の村が点在しています。
タイ領に住む少数民族は近代化されていて、民族衣装を着ているのは民芸品などのお土産売りの人たちだけとなっていますが、こちらラオスでは現役!
普段の暮らしの中にも民族っぽい服を着ている人をちらほら見かけます。
かつて第二次大戦のあと中国大陸で勃発した「中共内戦」で敗れ、南に陸路で逃げ込んだ「中国国民党軍」たちが、この付近の山を拠点にしてゲリラ活動をしていた時期もあったそうです。
詳しくはこの記事をご覧ください。
北ラオスの山中を越えるルートの中には、銃で武装した山賊が未だに出没するエリアもあります。過去に、長距離バスが深夜の峠道で山賊に襲撃されるといった事件も何度か発生しています。
連中は深夜に活動するので、日中ならこのような危険はほぼありません。日が出ている時間帯は、至って平和で治安の良い雰囲気です。
よって、ラオス国内で山越えを伴う「夜間の長距離移動」は避けたほうが良いと思います。
私たちも、山越えは日中だけにするというルールを作り、それを守って行動しました。
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ナトゥーイの町を過ぎたら「中国色」がさらに増してきた
ルアンナムターも首都ヴィエンチャンの町もそうですが、最近のラオスは「中国色」がだいぶ侵食してきているように思えます。
ベトナムのように「古き良き中華風情が融合」したものでは無く、ここラオスでは思いっきり「現代中国が侵食」してきている色です。
途中にあるナトゥーイは北ラオスのひなびた田舎町ですが、この町を過ぎると一気に中国化します。通り沿いにある店の看板には「中国簡体字」が並び、ここはもう中国文化圏なのだな・・と感じさせられます。
道は現在のところ未舗装の砂利道。
すれ違う車は「云」の字が書かれたナンバーが多い、つまり「中国雲南省」から来た車がほとんどです。
たまに「川」ナンバー、これははるか遠くの中国四川省や、時には2000キロ以上も離れた広東省深圳市の「粤B」ナンバーも見かけました。
みんな、すごいところから来てるんだな・・・。何をしにラオスまで来たのだろう・・と思うと感慨深いですね。
周りの車はすべて中国ナンバー。
そんなことを考えながら運転していたら、いきなり白いアウディーが割り込み!
対向の大型トレーラーギリギリの追い越しです。クラクションを鳴らしたら、リヤシートの窓が開いて、後ろを見ながら「唾」を吐きやがった・・!
そういえば、中国ではこんなの当たり前でしたね。
このアウディーは「闽D」ナンバーを付けています。さらに遠く福建省アモイのナンバーですね。
もうここでは、中国が好きとか嫌いとか、いい悪い、そういうものは一旦忘れましょう!
そんな遠くから車で行き来していることに、大陸の雄大さを感じられずにはいられません。
「ロマン」
そうです。車好きの私からするとロマンを感じるのです!
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大陸のロマン・陸路移動の面白さ
この陸路での移動というのは、大陸で陸続きの国では大昔から続いていることなんですね。悠久のシルクロードを連想させます。
日本は四方が海に囲まれているので、あまりピンとこないかもしれませんが、ここでは陸移動が当たり前のこと。国境があるなら、越えればいいじゃないかという考えが当然なのです。
特に中国!道が続く限りクルマでどこにでも行ってしまう、中国人のメンタルと行動力!
車好きの私としては、うらやましい限りです。
悪路が続きます。
途中で「昆明発・ビエンチャン行き」の2階建て国際バスとすれ違います。
巨体を左右にユサユサと揺すりながら、でこぼこだらけの道を勢いよく走り抜けていきました。車内の乗客たちは、きっとビニール袋片手に苦しんでいるに違いありません。
中国昆明からラオスへは、このヴィエンチャン行きの他、ルアンナムター行き、ルアンパバーン行き、ファイサーイ行きが出ているようです。
約1500キロの道のりを丸1日以上かけて走破するバス。できれば乗りたくないですね(笑)でも私が自分で運転できるならぜひ走りたい!
道は相変わらず、右に左にうねりながら中国国境を目指します。
前を走る小型トラックは「云K」ナンバー。雲南省西双版納(シーサンパンナ)タイ族自治州からの車ですね。
中国から来るトラックは主に工業製品、中国に向かうトラックは米やフルーツなどの農産物を積載しているそうです。
今にも横転しそうなほど傾斜がついた道を、ぐいぐいと進んでいきます。
道はついに「荒野」になりました。車線が区切られていなくて4車線分くらいある広い道なので、四駆の車はここで一気に加速して、泥を巻き上げながら猛進します。深い水たまりだろうが小川があろうが関係ありません!
昔テレビのCMでたまにやっていたアレですね!私もその後に続き、右から左からガンガン追い越します。
これをやりたかったんだ〜!
そして、さっき無理やり割り込んできた福建ナンバーの白いアウディーに追いつきました。悪路に苦戦してゆっくり走るアウディーに大量の泥しぶきをかけながら、一瞬で抜き去ります!(性格悪い?いえ、さっき窓から唾を吐いてきたことへの仕返しです。)
青空と赤土のコントラストが綺麗!
現在このエリアは「高速鉄道」工事の真っ最中。
中国資本で、昆明からラオスの首都ヴィエンチャンまで高速鉄道で結ぼうというプロジェクトです。
ヴィエンチャンの先ですが、当初はタイのノンカイ〜ウドンタニー〜ナコンラチャシーマー〜バンコクとを結ぶ計画でしたが、タイ側とは交渉決裂した模様。なので当面はヴィエンチャンまでの運行となりそうですね。
昔から、四駆で荒野を駆けることに憧れていましたが、この日ついに実現できたので気分は最高です!
ラオス税関で足止め?タイ籍車両は中国に乗り入れ禁止!
荒野を抜けると、綺麗に舗装された道路が現れました。
そしてすぐ先にはゲートらしきものが・・。いよいよラオス最果ての町「ボーテン」か?
ルアンナムターから約60キロ。
途中土砂崩れがあったので、約3時間かかってようやく到着したのが、ここラオスー中国税関。
係員に「ボーテンの町まで行きたいんだけど・・」と聞いたところ・・
係「タイ登録の車は、中国税関が発行した車両通関許可証がないとこの先には行けないぞ」
「・・・・・」
「ん・・・!?」
ということは、せっかくここまで来たのに、中国の国境までは行けないってこと・・?
タイの車両はアセアン協定なので、アセアンではない中国には乗り入れできないということですね。
聞くと「ボーテン」の町はラオス領ではあるけど、特区になるので事実上中国の支配下に置かれているそうです。
嫁さんがすかさず交渉を入れます。
嫁「すぐ帰ってくるから!お土産買って、ご飯食べたら今日中に戻るから!」
係「もしお前らが戻ってこなかったら、俺は明日から仕事がなくなる・・!」
係「・・・絶対今日中に戻ってくるだろうな?」
嫁「もちろん!夕方には戻ってきて、またルアンナムターに帰るから!」
と、ルアンナムターに宿泊中のホテルのキーを係員に見せます。
係「よーし、信用した・・!行ってこい!」
と言って、係の人がゲートを開けてくれました!さすがラオス、ゆるい感じがいいですね。おおらかな人柄が出ています。
「コプチャイ!(ありがとう!)」
本来なら、前にいる車のように手続きをしなくてはいけません。
書類を出して、車内やトランクのチェックをします。
しかし、今回は特別にチェックなしでそのまま通過!
10分ほど走ると、そこには綺麗に整備された街が・・。
「ここがボーテンか・・」
町ではなく、あえて「街」と表現しました。それは、ラオスの首都ヴィエンチャンよりも整った街並みだから・・。
ヴィエンチャンよりも高い建物がたくさんあり、道路も整備されています。
中国パワー・・チャイナマネー・・・恐るべし。
こんな辺境の奥地にある山を1つ切り崩して、その国の首都をはるかに上回る巨大な都市を作ってしまうのですから・・。
(現時点では、人の気配は少ないです。鬼城・・ゴーストタウン・・中国で流行中の、この言葉が頭をよぎりました・・。)
高速鉄道の駅を作る以上「それに見合った都市を作らないとメンツが立たない」という中国側の考えもあると思います。1年後、また3年後、この街はどのように開発されていくのでしょうか・・。
高速鉄道が開通した後、この街にはぜひ再訪してみたいと思います。
まとめ
2回にわたり、タイからラオスに車で渡り、そのまま中国まで行ってしまおうという「無茶苦茶な」旅の詳細をお伝えしました!
おそらく、こんな変なルートと方法で旅をする人は、私以外にはいないんじゃないかと思います。
読んでくれる人さえいるのかどうか怪しい記事ですが、旅の記録もかねて、「こんな、旦那の趣味に付き合ってくれた嫁さんに感謝」そして「嫁さん、長時間の乗車・・お気の毒に・・」という哀れみの気持ちを込めて書きました(笑)
それに「人とは違うことをする」というのが、私が求めていた旅のスタイルでして・・。
本当は、いつか自分の車で、タイからラオス〜中国雲南省〜貴陽〜長沙あたりを横断して、青島か上海からフェリーに乗り、日本の実家まで帰るというのが夢だったのですが、法の問題で日本人が中国で運転するのは困難ですし、そもそもタイの車で中国に乗り入れができないのが分かり、残念ながらそれは諦めました!
(なので、そういう意味で、さっき言った「中国人め、うらやましいぞ」というのにつながります。)
次回からは「ボーテンって何があるの?どんな街なの?」という内容でお伝えしたいと思います。
以上をもちまして、タイ〜ラオス〜中国まで縦断する、ロマンあふれる国際越境ドライブの記事を終了します!
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