前回の記事では、ラオス〜中国国境の町「ボーテン」までタイ登録の車で越境ドライブした内容をお伝えしました。
まだ読んでいない人は、ぜひ過去記事をご覧ください!
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バンコクからラオスを越えて約1500キロ走り、ようやくたどり着いたこの「ボーテン」とはいったいどんな町なのでしょうか?
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■目次
ラオス辺境の町「ボーテン」は開発著しい国際都市へ
ラオスという、東南アジアにある山国の最果ての町・・
これだけ聞けば、なんとも「人里離れた山間の小さな村」。こんなイメージを持つ人が大半なのではないでしょうか?
現に、ラオスの首都であるヴィエンチャンは「世界一のどかな首都」と呼ばれるほど。隣国タイにある田舎町と比較してもほぼ同等の発展具合。それくらいのんびりとした首都なのです。
そんな首都を持つラオスの、最果ての地に「チャイナマネー」がつぎ込まれると、いったいどう変貌するのでしょう・・?
ん・・?
見事にチャイナ一色だ!
開発中だけど結構栄えているぞ・・?
あれ、首都のヴィエンチャンよりも建物が綺麗だぞ・・?
新しいコンドミニアムもあるぞ・・!
簡体字ばかりの町だ・・。
到着してみてびっくり・・。
恐るべしチャイナマネー。完全に中国に飲みこまれています(笑)
聞くところによると、この地は10年ほど前、2000年代前半までは山と国境があるだけの小さな村だったそうです。
そこに中国資本のカジノなどがオープンし、それに合わせてホテルが何軒か建設され、急ピッチでどんどん開発されていきました。
しかし、中国資本の圧倒的なパワーに警戒したラオス政府が、数年前からこのエリアでのカジノ営業を禁止してしまいました。この規制により再び人口が流出し過疎地と逆戻りしたボーテンは、廃業や夜逃げしてしまった飲食店やマッサージ店、風俗店などの遺構が残り、現在町の西側にある区画は廃れてしまいました。
その後中国政府主導により「高速鉄道」を、中国昆明からラオスの首都・ヴィエンチャン経由で、タイのバンコクまでつなげようというプロジェクトが持ち上がり、その国境駅の予定地となるボーテンの町に再び光が差しました。
現在、中国国内での線路工事を先行していて、この時点ではほぼ完了。ラオス側でも山間部のあちこちにコンクリートの橋脚が建てられています。
これに合わせ、国境近くの国道沿いは「特区」として中国主導でどんどん開発されていきます。
国道から奥に入った区画には5〜6階建てのマンションや商業施設が建設されていきました。今では立派な免税店のビルや高層ホテルまで立ち並ぶという、首都ヴィエンチャンを越える勢いで新しい町が作られ続けています。
(とはいえヴィエンチャンもここ数年で新しいビルがどんどん建設されています。そのほとんどがチャイナマネーによる開発です。)
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ニュータウンの住人はどんな人?
最近新しく作られ続けている建物ですが、現在のところ入居者はわずか。
それもそうです。今はまだ高速鉄道も高速道路も開通していませんし、町の規模に見合った病院も学校もありません。都市として機能するのはまだ先になります。
現時点での住人は、貿易業などを営む中華系ラオス人が少数、そして中国本土から派遣されてきた多くの建設関係の人、その建設労働者たち。
労働者のほとんどは、建設現場付近にプレハブ小屋を建てて寝泊まりしていますが、出向してきた管理職の人たちはこのニュータウンにある住居を使っているようです。
なので、通りに面している1階には、彼ら中国人向けの商店、飲食店などが多数立ち並んでいるのです。
大きな簡体字で書かれている看板がほとんどで、ラオス語は申し訳程度にしか書かれていません。
また飲食店は中華料理店ばかりで、ラオス料理を出す店がほとんど無いところを見ても、ここは「中国人のための町」なんだな、ということが伺えます。
見る限り、四川料理を出す店が結構多いように思います。
多くの店の看板には「重慶」「川味」「火鍋」「麻辣」といった文字が書かれています。ここに移り住んだ人は四川省出身者が多いのでしょうか。または出向された建設関係者に四川省の人が多いのか。
せっかくここまできたので、後で四川料理でもいただくことにしましょう。
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中国系スーパーで中国製品を買おう!
住人のほとんどは中国系。
ということは、スーパーにある商品は中国のもの・・?
「超市」とは、スーパーマーケットの事。
早速中を覗いてみましょう。
店の作りは、以前行ったことがある中国国内のものとほぼ一緒。
しかも独特の「中国臭」がします。調味料やスパイスの匂いかな?
これはバンコクのチャイナタウン・ヤワラートも同じような臭いがしますね。漢方薬のような感じです。
商品棚には、見事に中国製品がぎっしりと並んでいます。
品揃え豊富ですし、価格は中国国内とほぼ変わらず。なのでとても安いのです。
2年前に中国雲南省に行った時、お土産で買ったインスタント麺と調味料。これを嫁さんが大変気に入っていまして・・。(最近私たち夫婦揃って「麻辣」の味にはまっていまして、バンコクでも事あるごとに四川料理の店に行きます)
当然「爆買い」・・!
総額500元(約9000円)くらいのお買い上げ。
店員さんも、周りのお客さんも、この狂気じみた買い方にびっくりしています。
お会計は中国元とラオスキープを使用できますが、中国の特区でもあるため、レートは中国元の方が良いです。
これはバンコクの自宅に帰った後並べた戦利品・・・。
自分の車で訪れたから、買ったものは後部座席にそのまま積んでおけば、バンコクの自宅まで持ち上げる必要はありません。
実に便利です!
大きなビニール10袋分の中国食材と調味料たち・・。(現在でも2人して飽きずに食べています。まだ3分の1も減っていません。)
美味しいと感じるかどうかは人それぞれ。私は結構好きな味です。
ただ結構クセがあるので、日本人向きではありません。とは言っても私はバンコクに住んでいるので、毎日タイの味ばかりだと飽きてしまうため、中国味のものは重宝しています。
四川料理店に入るも、メニューなし・中国語オンリーで途方にくれる
さあ、散策して小腹が減ってきたので、ここら辺で食事タイムとしましょう。
嫁さんに何を食べたいか聞いてみると「麻辣」と一言。相変わらずマーラー味にはまっているんですね。
こんな店を見つけたので入ってみましょう。
「川菜系列」「四川」と書いてあるので、もちろん四川料理ですね。
ちなみに看板の下段には「ラオス特色」と書いてありますが、ラオス料理なんかありませんでした(笑)
聞くとこの店、数年前に家族でここに移住してきて、シェフも含めて四川省出身だそう。
これは期待できますね!
しかし・・・
「・・・・・」
ラオス語・タイ語は一切通じず・・。
英語も全くダメ・・・・。
この店で使えるのは「中国語」のみ!
アイヤー。
こんな時は「筆談」が使えます。日本語の漢字とは多少違っていても、意味は通じるので結構便利です。中国旅行の際はよく使う手段。
まずメニューを見せてくれと伝えます。
しかし・・
「メイヨー(無いよー)」と一言。
「・・・・・・」
これはラオスによくあるスタイルで、客席にある冷蔵庫から食べたい食材を選んで、調理法を伝えるやつですね・・。
そこで「マーポートーフー」と一言。
すると店員さんがにっこり。オーケーだそうです(笑)ちゃんと伝わりました。
ここで気がついたんですが、さっきから嫁さんの姿が見当たりません。
あれ、どこに行ったんだろう・・?
嫁さん、言葉が通じない厨房で指揮をとる
すると、奥にある厨房で「ジュウウーーッ」と何かを炒める音が聞こえてきました。
厨房から大きな声でタイ語と中国語が聞こえてきます。
私たちの他にお客さんはいません。あれっ?と首を傾げていると・・・
「・・・・!?」
嫁さんがシェフと一緒に厨房から戻ってきました。
そして出てきた料理がこちら。
なんかすごく美味しそうな料理・・。
なんとレストランの厨房に勝手に入り、中国語しか通じないシェフにタイ語でペラペラ指示を出して、料理を1つ作らせてしまったそうです・・。
しかも、嫁さんとしては予想通りの料理に満足している様子。
恐るべし・・・。
(マレーシア、ベトナムや昆明でも同じことをしていました。タイのイサーン地方(嫁の出身地)では、厨房でシェフに好みの味付けを伝えるのはよくあるパターンらしいです。しかし、他の人がそうしている光景は今まで見たこと無いぞ・・)
それではいただきまーす!
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・おっ、シンプルなのに奥行きがある味だ!」
「たまに当たる花椒がしびれていい感じだ!」
「にんにくが香ばしい!」
さすが四川出身のシェフ。腕がいいですね!
四川出身のシェフが作る麻婆豆腐に舌鼓
そうしているうちに、麻婆豆腐とご飯が運ばれてきました。
ネギが多いのは、嫁さんが「ネギ多め!」と指示を出したから・・。よくタイ語だけで通じるなあ。
量はかなり大盛りです!ボリューム満点!(金額はいくらか知りませんが・・)
それではいただきまーす!
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・辛い!しびれる!」
四川式なので花椒をふんだんに使っています。なので本気でしびれる!
タレには旨味が乗っかり、刻みネギとの相性も抜群に良いです。
バンコクの中華屋で食べる麻婆豆腐とは明らかに違う味。本場・四川出身のシェフが作るからでしょうか。
ご飯が進みます!
皿(小)ではなく、自分でよそるタイプ(大)を選んで正解。
30分かけて、なんとか完食できました・・!
気になるお会計は・・?
さて、食べ終わってしばらくお茶を飲んで休憩。
ボウルのご飯も全部食べ切ったので、満腹で動けません(笑)
お会計は中国語で「マイダン」または「ジェージャン」と言いましょう。
この時、私たちは料理の金額を金額を全く知りませんでした。メニューがないため、いちいち聞かなくてはならなかったためです。
しかし、ここは観光用の店ではないので、ぼられることはないだろうと予想。
そして伝票を見ると・・。
麻婆豆腐 20元
炒菜なんとか 20元
ビール 10元
缶のお茶 4元
ご飯 8元
合計 62元 (約300B≒1000円)
安い・・・。タイより安い!
ちなみにチップは不要です。
本来なら、金額をきちんと確認してからオーダーするべきです。もしこの状態でぼられたとしても文句を言えません。
タイやラオスなどアジア各国の観光地でよくトラブルになるパターンです。
まとめ
ラオス〜中国国境の、ラオス側にある町「ボーテン」は中国に侵食されたニュータウンだった!
特にこれといった観光スポットは無いので、観光で訪れる必要は無いかと思います。見どころは、ラオスにありながらラオスじゃない街並み。そしてそれぞれの文化がぶつかり合う国境独特の雰囲気。
しかし街中はどこも中国語で溢れていて、住人も中国人ばかり。ラオスの雰囲気などどこにも残っていません。
スーパーでは中国の食材や酒などが格安で購入でき、レストランでは本場のシェフが美味しい中華料理を作ってくれます。
高速鉄道が開通する頃には、いったいどんな町になっているのでしょうか。
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