こんにちは!Asia-Jin(あじあ人)です。
タイに一度でも行ったことのある人なら、おそらく見てびっくりしたことがあるかと思うのが、街中でグターッと寝ている「犬」。
連日のあまりの暑さで、だらしなく地面に寝そべっているのを見て、なんだかほわっとした気持ちになった方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのグターッとしている犬たちの事情についてご紹介します。
スポンサーリンク
コンビニ前を占拠しているのは!?
日本での話。
深夜のコンビニ前にたむろしているのは、誰?という質問に、みなさんきっとこんな答えが頭に浮かぶでしょう。
「バイクを乗り回す、10代の若い人たち」
「車高が低く、改造マフラーに交換した怖そうな車に乗っている若者」
はい、私も10代の頃はこの中のうちの一人でした(汗)原付スクーターを改造して、夜中に家を抜け出して、一人で毎晩のように山の方まで出かけていました。
私の出身は神奈川県横浜市でして、バイクで1時間くらい走り、厚木や相模原を超えていくと、奥の山に向かう峠道の入り口がいくつもあるんですよ。時には奥多摩の方まで出かけたり、道志村を越えて富士五湖の一つ・山中湖まで足を伸ばしたり。かれこれ20年も前の話ですね。
あっ、ちなみに、大きいバイクで、集団で蛇行運転をする方じゃないですよ。私の場合は「静かに速く走る方」の人でした(笑)
一通りコースを走り終わって、途中のコンビニによると、他の「バイクで速く走る人」が何人かいるんですよね。その人たちと仲良くなって、コンビニの駐車場にある縁石に腰をかけて、明け方までおしゃべりしたりするのが楽しみでもありました。
10代の頃からベースとして積み上げられた経験は、今現在でも趣味としてしっかりと受け継がれていて、タイでラオスやミャンマーの国境まで夜中出発でバイクツーリングしたり、自家用車で国境を越えてシンガポールまで、マレー半島縦断ドライブをしたりと、相変わらずな暮らしぶりです。
これらのタイでのツーリングやドライブ事情などは、いずれ記事にしていきたいと思っています。
さて、こんな経験がある私ですから、こいつらの気持ちはすっごく分かりますよ(笑)

ほら、きっと夜中のツーリングで疲れて寝ちゃったんでしょうね。

彼らは、「仲間がいれば、なんでもできる」と言っています。

こいつは、仲間に置いてきぼりにされてしまったのでしょうか。
タイは「お犬さま天国」!?
こんなところでだらしなく寝そべっている彼ら。
また、番犬のようにコンビニの入り口で構えているヤツ。
これらは、いわゆる「野良犬」です。
タイでは、仏教の教えにより「生き物をむやみに殺生してはならぬ」ということを固く守っています。そして「善い行いをしたらその分だけ、来世の自分に返ってくる」という教えとマッチして、「地域犬」のようにして住民たちに可愛がられているのです。
日本では、野良犬は「排除対象」として扱われ、即刻保健所に連絡が行き、すぐに捕獲してそのまま愛護センター送りになりますね。その後の処分はみなさんがすでにご存知の通りです。
そして、外にいる犬ですからそこらへんで「フン」をしますよね。以前にタイ人に聞いたことがあります。
私「犬のフンは誰が始末しているの?」
タイ人「そんなの、それぞれ近くの家の人が始末してるよ」
私「へえ〜、家の前にフンがしてあって嫌じゃないんですか?」
タイ人「そんなこと言ったって、生き物がフンをするのは当たり前でしょ?」
と、家の前でフンをされた人たちも被害者意識が全くなくて、逆に私の質問の内容に対して不思議そうにしていたのが印象的でした。
日本だったら、朝起きて家の前に犬のフンがあった日にはどうなることでしょう。
ここら辺に、タイ人の懐の広さを感じましたね。
犬の餌は、ご飯の残り物とか「骨」などをそこらへんの人が適当に与えているようです。
ここらへんに、お国柄が大きく出てきていますよね。
日本だったら、餌を食べ散らかすとか、残ったものの始末の問題とかが優先されて、野良犬が腹を空かせていることを考える人はほとんどいないでしょう。
この辺は非常に難しい問題で、実に賛否両論ではありますが、捕獲して殺処分してゴミと一緒に埋めてしまう日本のやり方と比べ、果たしてどちらが良いのだろうと何度も考えさせられたのであります。
タイでは、歴史的にも犬食文化は無いため(厳密に言えばラオス国境付近のサコーンナコーン県のごく一部で食べられています)食用肉として捕獲されることも無く、ただ寝そべっていれば「水」「食料」が提供され、常夏の国なので凍死する危険も無く、犬にとっては実に呑気な暮らしができてしまうというわけです。
スポンサーリンク
「増やさない」取り組み

とは言っても、タイ政府として、都市部で野良犬を増やし続けることは良いことではありません。このため、一時的に捕獲して「避妊手術」や「去勢手術」をして元の場所に戻される、という取り組みがなされています。
その費用の多くは「寄付金」などから賄われているようです。これも「助け合い」と「勧善」「無殺生」の社会だからできることですね。
しつけのこと

ヒトと犬とが共存できているバンコク都市部では、犬に噛まれたり、人の食べ物を奪ったりといった話はほとんど聞きません。これは「地域犬」として認識されているため、近くに住む住民が「しつけ」もしているためです。
悪いことをした犬は棒のようなもので叩かれたり、蹴られたりして、ちょっと乱暴なように感じますが、これによって人との最適な距離感を身につけた犬は次第に大人しくなり、人に対して吠えることも威嚇することもなくなっていきます。
コンクリートの都会で生きる術を身につけ、洗練された「バンコクっ子」の仲間入りですね(笑)
問題は、都心から離れたバンコク郊外や、地方都市の犬たちです。
この場合、もともと郊外や地方は人が少ない上に、しつけもあまり行われていないようです。そのため地方の犬はバンコクの犬に比べて凶暴なことが多いです。
まさに「野犬」ですね。
なので、気をつけなくてはならないのは、こういった郊外での夜間です。地方の犬は夕方以降に凶暴化するので、日が暮れた後に襲われる確率は格段に高くなります。
観光で訪れた地方の町に泊まった時、ホテルから近くのコンビニに行く場合などは特に注意が必要です。
交通事故の問題
都心部では昼夜問わず、多くの車やバイクが行き交っているバンコク。それでも多くの犬は車やバイクを「危険」と判断していて、車道にはあまり近寄りません。また、ドライバーも犬が近くにいる場合はスピードを落とすなど気をつけて運転していますので、都市部での犬の交通事故はあまり見かけません。
これが郊外になると事情が変わってきます。走行中の車やバイクを「怖い」と認識していないのか、または仲間が轢かれた恨みがあるのか、たまに猛スピードで近づいてきて攻撃してくる犬もいます。
走っている車に追いついて、そのままの勢いで下に潜り込むので、どうやっても避けられないんですよね。
バイクの時はヒヤッとしましたね。体当たりしてくるので、バランスを崩したらおそらく転倒していたでしょう。
これらの事情から、郊外や地方では犬の交通事故が多く発生しています。
狂犬病の問題
噛まれてしまった場合、すぐに病院で必要な治療を受けないと、ほぼ確実に死んでしまう恐ろしい病気ですね。
日本で発生することはほとんどないでしょうけど、タイでは狂犬病で命を落とす人が毎年いるようです。
もし噛まれてしまった場合、その犬が狂犬病であるかないかにかかわらず、必ず「大至急」病院で手当てを受けましょう。基本的にタイでは犬に近寄らないようにするのが得策とも言えます。
ちなみに、コンビニの前にいる犬はだいたいよくしつけられているので、こちらから攻撃しない限りは噛んでくることはないと思いますが、一応警戒はした方が良いでしょう。しつけられていても、狂犬病でないという保証はありません。
ーーー
タイを訪れれば、必ずどこでも目にする「お犬さま」。初めは珍しいのでびっくりしたり、違和感を覚えるかもしれませんが、これはタイ人の懐の広さを表すメーターのようなものです。
またバンコクの都市部は大人しい犬が多いけど、郊外や地方の犬は攻撃的で、特に夜間は凶暴さを増すため注意が必要ということを頭に入れておいてくださいね。
また、万が一噛まれた時はすぐに病院で手当てを受けること!生死に関わることなので、これだけは絶対に忘れないでくださいね。
コメントを残す