2019年10月追記
2019年4月より、とうとうアチェンガルゴンパも外国人が立入規制されてしまったようです。旅行計画を立てている方は最新情報にご注意ください。
この記事は、2019年1月に現地を旅した時の情報になります。
旅の記録として、思い出として、記事はそのまま残します。在りし日のアチェン、外国人が見る最後の冬と雪景色をお楽しみください。
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東チベットの秘境・アチェンガルゴンパ。
前回の記事では、甘孜(ガンゼ)からアチェンガルゴンパまで乗り合いバンで行く方法と、実際に移動した時の様子をお伝えしました。
ここまで行くためには、成都から何ヶ所かの中継地を経て、長い時間バスに乗りようやくたどり着く辺境の地なので、誰でも簡単に行けるわけではありません。まさに東チベットの秘境ですね!
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アチェンガルゴンパの丘までの道順
まずは、あの有名な「丘の上」まで行く道順を説明します。
ざっくりですが、アチェンガルゴンパの簡易マップを作りました。緑色で示した「丘」が、景色の良い丘になります。
マニ車の内周からは、外の道路まで抜けることができないので注意が必要です。(工事中だったので、いずれ通路ができるかも。)

まずはバンを降りるところから。
バン乗り場で降車した場合は「亚青消防站」付近になります。

そのまま消防署を背にして、通りを右に進めばゴンパや丘の方向、左に進むと検問所と鳥葬場になります。
右に出て少し進むと、右に曲がる道が出てきて、その正面には「亚青宾馆」というホテルがあるので、その方向に進みます。

もし曲がらずにまっすぐ進んだら、すぐ右側にマニ車がある施設があり、さらにまっすぐ行くと大きな寺院があります。
丘からの景色を最後まで取っておきたい人は、そのまま寺院の方向に進みましょう。

「亚青宾馆」をよけるように左、右と道なりに進みます。
すると、長い坂道になるので、そのまま進みます。
左手には大きな仏塔がありますね。

この坂道を7〜8分ほど上ると突きあたりに出ます。

歩いてきた坂道を振り返ると、こんな感じになります。
ここは標高3900mの高地です。体に負担がかかるので、あせらずゆっくりと歩きましょう。
先ほどの突き当たりを左に曲がり、少し進むと、右側にはさらに丘の上に続く階段が現れます。その階段こそが「丘」へと続く階段です!
ここで、そのまままっすぐ行ってしまうと、丘の上には出られませんので注意!
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丘の上から眺めるアチェンガルゴンパの絶景
舗装路から外れて階段に入ります。
この辺りから少し頭痛とめまいが出てきたので、一段ずつゆっくりと進みます。
階段の1段1段は低く作られているので、足腰は大丈夫なのですが・・・。呼吸が追いつきません。

階段はすぐに終わり、途中からは草の坂道になります。その先には大きな仏像が見えてきます。
この時は雪が積もっていて、滑る上に歩きにくい・・・。頑張って先に進みます。

チベット人は慣れているのか、さすが速い!
すぐに追いつかれて、追い越されてしまいます。
雪の白と、チベット服のコントラストが素敵です。

丘の上にはこんな風景。

そして、左のほうを見ると、切り立った崖がありまして・・・。
もしかして・・・!?
ついに・・・!

おおおおっ!!!
これだ!
以前ネットで見て、いつか訪れてみたいなーっと思っていた景色。
お見事!としか言いようがない景色。
雪とアチェンガルゴンパ。とても素敵な組み合わせ。

ここは、アチェンガルゴンパで修行する僧侶たちの憩いの場になっているようで、お茶を飲んでくつろいでいる僧を何人か見ました。
後ろ姿をちょっと撮らせていただきました。

タルチョ(旗)と景色の組み合わせ。
うーん、最高です。

崖の下を見下ろしてみましょう。
川沿いの柵に、洗濯物が干されています。この付近は尼さんエリアですね。

この崖を降りて行くと、島部分にショートカットすることができます。
橋の先は尼さん居住区なので、男子禁制エリアになるためご注意ください・・・。

えんじ色の壁に金色の屋根。
荘厳な雰囲気です。
本当に「雪」とよく似合います。
今回このコントラストを見たいために、この時期に訪れたと言っても過言ではありません。

川が半分ほど凍っています。
その凍った部分に椅子を置いて、なにやら洗っていますね。洗濯でしょうか?

可愛いのが歩いてきました。
この辺りの地面は草地になっているので、丘の上は彼ら専用のレストランとなるようです。

もう1頭、また1頭と次第に増えてきました。

尼さんエリアの道は、かなり凍っていて歩きにくそう。
転ばないようにゆっくりと進んでいるのが見えます。

奥の方には建設中の大きな施設があります。
新しい僧坊も周囲に向けて広がっていて、どんどん規模を拡大しているように見えます。
聞くところによると、政府によって「ラルンガルゴンパ」を追い出された僧侶たちが大量に流入しているとのこと。
こちらアチェンガルゴンパの人口は2017年ごろから徐々に増えているそうです。

まあ、よその国の事情なので、私たち外国人がいくら反感を持ったとしても何もできません。
中国政府としては、チベット文化が観光資源になるということが分かったようで、ラルンガルゴンパを観光地化しようと動いているように感じます。
そうすると、今後外国人に解放されたとしてもテーマパークのようになってしまうので、以前のような魅力はもどらないかも知れません。
もしかすると、ここアチェンガルゴンパも、再開発されてしまうのは時間の問題かもしれません。
興味がある人は、そうなってしまう前に訪れることをおすすめします。
2019年4月より外国人の立入が規制されてしまったようです。 1月に訪れた時は、ガンゼからアチェンまでの途中にあるトンネルなどが完成し、路肩補強工事の仕上げをしている最中でした。運転手さんによるとバイパスが4月に全面開通すると言っていたのを思い出しまして・・ もしかすると、アチェンはバイパスの開通に合わせて、ラルンガルゴンパのように重機などを用いて大型開発する兆しだったのかも知れません・・・。
魅力いっぱいのアチェンガルゴンパ
丘の上からの絶景をしっかりと堪能したら、今度はゴンパ周辺の散策をしましょう。
さっき来た道を戻ります。

ヤクがこちらを見ています。
基本はおとなしい動物らしいですが、すれ違うときなんかちょっと怖いですね・・。

島部分の僧坊エリアは、女性専用なので私は入れません。
しかし、寺院の周辺にある僧坊エリアは男女どちらでも散策可能です。
とは言っても、ここは僧侶たちの生活圏であり「住宅地」なので、建物や人にやたらにカメラを向けるのはおすすめしません。一言断るなり、節度を持って撮影するのであれば大丈夫かと。

ちょっと気になったのが、丘の上に向かって新しい道を作っているんですね。それに合わせて、ブロックや木材などを運ぶ人たち。
甘孜からの道も、トンネルが開通したり、新しくバイパスの橋脚を作っていたりと、着々と整備されてきていました。
ここ数年で人口も増えているようなので、もしやラルンガルゴンパのように僧坊が連なる風景が見られる日が来るのか!?→外国人規制されてしまいました・・。

牛さんも参拝です。

立派な門ですね。
これをくぐると・・・。

かっこいい!!
この先には本堂があり、一般者も入ることができるようです。
またその奥には、尼さんエリアに続く橋がある区画にショートカットできます。

えんじ色と白のコントラスト。
何て絵になるんだろう・・・。

気温はー5℃。つららが溶ける様子はありません。
春から初夏にかけては、緑濃い草原の絶景が見られるのでしょうか。

黄金いろの仏塔。
マニ車がぎっしりと並べられています。

みんな熱心にお祈りしながら、マニ車を回しています。
巡回する方向は「時計回り」とルールが決まっていますのでご注意。

色使いが素敵です。

実際に巡回(コルラ)してみましょう。
マニ車を回す方向も、歩く方向も「時計回り」。
私たちは、息を切らせながら10周コルラしました!高地なので、かなり苦しい・・・。
運転手に誘われて鳥葬を見に行く
先ほどの出発点、乗り合いバンが発着する消防署前に戻った私たち。
甘孜に向かうバンの客引きが数人声を掛けてきます。
その中に、行きに乗車したバンの運転手さんを発見!帰りは16:30分と聞いていたので、出発までまだ1時間ほどあります。
すると、その運転手さんが何か話しかけてきましたが、チベット語なので全く分からず・・。中国語も読めないとのことで筆談もできず・・。困っていたところ、運転手さんが見せてくれたスマホには・・・
「鳥」
の写真が!
この写真を見た私はすぐに理解しました!
チベットエリアでは、「鳥による葬儀」の文化が残っていて、ここアチェンガルゴンパでも実施しているそう。このブログでは衝撃的な内容は書けないので、気になる人はGoogleで調べてみてください。
車に乗り、来るときに通過した検問所を素通り。
そして右にそれた坂道を登ると、そこには大勢の僧侶が!

位の高い僧侶がマイクでお経のようなものを読んでいて、それを追うように若い僧侶が続きます。

みんな真剣そのもの。
かと思ったら、高僧が面白いことでも言ったのでしょうか、みんな一斉に笑い出します。

上空には、大きな鳥が旋回しています。
かなり巨大で、翼を広げると1mはありそうです。
ここアチェンガルゴンパでの鳥葬は、いつでもやっている訳ではなくて、2019年の1発目がたまたまこの日だったそうです。
なので、かなりレアな経験。まさかこの目で見られるとは思っていませんでした。
それを教えてくれた、そして会場まで連れて行ってくれた運転手さんに感謝です!
儀式の途中でしたが、時刻は16:20分。間も無く帰りの時間です。
バンには、行きに一緒だった僧侶が1名。
そして私たち2名を乗せるとすぐに甘孜に向けて発車。
どうやら、その僧侶が帰りの便も予約していたようです。満席を待たずにすぐ出発したところをみると、もしかしたらチャーターしたのかな?
運賃は行きと同じ、1名45元でした。(鳥葬台の分は言われませんでしたが、お気持ちでお釣りの10元はそのまま渡しました。)
この辺りはケースバイケースかと思います。
行きと同じく、紳士的な運転ですが、安全な範囲でしっかりと加速する。安心感があっていい運転です。
所要時間は約2時間弱。
甘孜幸福大酒店の駐車場にある、乗り合いバン乗降場に戻ったのは18時20分。
近くにある食堂で、牛肉面と抄手を食べてからホテルに戻った私たちでした。
まとめ
今回は、アチェンガルゴンパ・丘の上までの道順をはじめ、実際に行った時の様子をお伝えしました。
現時点では、外国人の立ち入りも問題ありませんが、情勢によっていつ立ち入り禁止になるか分かりません。→外国人立入禁止になったとのことです。現地の最新情報にご注意ください。
今後の情勢次第かと思いますが、これで当分の間は外国人がアチェンの観光をすることができなくなってしまいました。
このように、世界各地には今後「行けない」「見られない」状態になってしまう貴重なスポットが数多くあります。それが情勢なのか、災害なのか、戦乱なのかは分かりませんが、ご自身が気になっているスポットにはなるべく早く訪れることをオススメします。
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