中国を旅する時、鉄道での移動も楽しみの一つ。日本ではほとんど絶滅してしまった「寝台列車」が今でも現役で走っているのが魅力です。
日が暮れる窓の外を眺めながら、長時間かけてゆっくりと進む列車には風情が感じられ、旅に味わいをプラスしてくれます。
しかし、そんな長距離列車に乗るためには、まずは切符の手配・購入が必要。
今回は、オンラインで事前予約してきた列車チケットを、昆明駅で実際に引き換えた時の様子についてお話ししたいと思います。
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中国の列車チケットは事前予約できる!
まず私の中国鉄道旅行のイメージは、ここから始まりました。
かなり昔の話ですが、中国の列車チケットがオンラインで買えない頃は、まさに戦国時代。
駅のチケット売り場があるホールには、数千人がごった返す長蛇の列。列というよりは人だかり。
割り込み以前の問題として、人が並んでいないのです。体育館にぎゅうぎゅうに押し込められたような状態で、もうめっちゃくちゃ。
誰かの怒号が響きわたり、自分も必死に肘で人を押しのけて、ようやく窓口に辿りつき「〇〇まで」と伝えた時に言われた一言「メイヨー(無いよー)」。
10数年ほど前の中国はこんな具合でした。
でも、今は昔とは違います!
全国を走る列車のチケットはオンラインでサッと手配。事前にカード決済でキャッシュレス。
「C Trip(Trip.com)」というオンライン予約サイトがあり、すでに知っている人も多いのではないでしょうか。中華圏に強いサイトで、列車のほか、ホテルや航空券も予約可能。
私は数年にわたり何度も利用していますが、予約に関するトラブルは今の所一度もありません。
今回の旅行で私たちは、雲南省昆明から四川省成都までを19時間かけて寝台列車で移動します。
チケットを当日購入するのでは、希望する列車が満席の可能性もあるので、その先のスケジュールを決められません。
しかし今回は、嫁さんの中国ビザを取るために予定を確定する必要があったので、先ほど紹介した「Trip.com」で事前に予約・支払い済み。
サイトの使用方法については今回の記事では省略しまして、実際に駅での「チケットの引換方法」をご紹介したいと思います。
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「Trip.com」で事前予約すると、並ぶ列が短い
昔ほどでは無いにしても、やはり中国の鉄道駅は混雑していることが多いです。
手元には、事前にプリントしてきた「Trip.com」の列車チケットの控え。これは航空券でいう「Eチケット」みたいなもので、「本チケット」とは異なります。
なので、駅で「本チケット」に引き換える必要があるのです。
中国語で「售票处」と書かれているブースが、日本でいう「みどりの窓口」みたいなところです。
いかにも社会主義的な「薄暗くて、無機質な感じ」は昔と変わりませんね(笑)とはいえ、人自体はだいぶ変わり、買う側はきちんと並ぶ人が増えたし、売る側は丁寧な人や、英語が通じる人も増えたように感じます。
ここでチェックしたいのは、窓口の上に表示された案内。
「取票」と「售票」と2種類あることに気づきます。予約サイト「Trip.com」にも受け取り方法の記述があります。
駅に着いたら、窓口を探してください。英語の併記がない場合は、予約した乗車券の引き換えなら「取票」(チューピャオ)、乗車券の購入なら「售票」(ショウピャオ)の表示のある窓口を探してください。一部の駅では乗車券の引き換えと購入が同じ窓口の場合がありますが、大抵の駅では、電話やオンラインで乗車券を購入した乗客専用の窓口を設けています。
Trip.comより引用
この「取票」の列の方が「售票」の列と比較すると空いていて、流れも早いのです。中には事前予約していない人が「取票」に並んでいることもありますが、ここは中国ですから・・・。
なので、事前に予約すると、現地で新規購入するよりもスムーズにチケットを手に入れることができるのです。
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窓口で最終確認
さて、5分ほど並んだら、いよいよ自分の番になりました。
事前にプリントしてきた紙と、パスポート2名分を一緒に渡します。
すると係員のお姉さんは、紙を見ながらサクサクとパソコンに打ち込んでいきます。
「Look!(見なさい!)」とお姉さんがパソコンの画面をペンでコンコン叩きます。
きました!命令形!
いいんです。私の英語もカタコトなので、丁寧で正しい言い方なんて「Please」をつけるくらいしか知りませんし、ここはお互い様です。このほうがかえって気が楽でもありますね!
それより、お姉さんが英語を使うことがびっくり。
少し前の中国では、こちらが外国人だと分かって、中国語を理解できないと分かっても、中国語でペラペラまくし立ててくるのが普通でした。そして、こっちが理解していなくてもお構いなし。
それがどうでしょう。
この係員は英語でチケットの説明をしてくれますし、他の英語が分からない人は「翻訳アプリ」を使って伝えようと努力してくれます。
時代が変わったのを肌で感じます。
チケットが実際には「ある」のに、面倒だから「無い」と言うような中国は、ここにはもうありませんでした。(もともと中国人は親切な人が多いと思いますが、服務中(仕事中)は冷たい人が多かった。)
さて、話を戻しましょう。。
画面には、乗車日、列車番号、乗車区間、時刻、号車、座席(寝台)番号、金額などが表示されます。
そして重要なのが「名前」と「パスポート番号」。
中国で長距離を移動する交通機関は、乗車時に実名登記する必要があるのです。
画面をチェックして、オーケーすると、お姉さんはチケットを発券してくれます。(係員によっては、画面でチェックせずにそのまま発券する人もいます。)
これが発券されたチケットと「Trip.com」の控え。
実に簡単で使いやすいので、私が中国で列車移動する時はいつも利用しています!
さらに楽に発券するワンポイント
街中のチケット引換所に行くなど、チケットを引き換える時間を短縮するには、他にいくつかの方法があります。
その中でも、今回は「駅で引換」に絞ってお伝えします。
今までの経験上、係員が窓口でチケットを発券するまでに時間を要するポイントを観察したところ、プリントしたEチケットの中から「予約番号」を探すのに手間どっていました。
そこで利用したいのが「Trip.com」のアプリ。
ダウンロードしてログインしておくと、自分が予約した列車のバウチャーをスマホの画面に表示することができます。
これは、帰りの列車「成都〜昆明」の分です。(一部画像を加工しています。)
スマホの画面にバウチャーを表示させて、窓口で見せながらパスポートを提示したら完了します!
これなら余計なものが表記されていないので、プリントを渡すよりもスムーズに発券できますね。
それからパスポート。顔写真ページ(名前)を探すのに、なぜか後ろからめくってしまう人が多く、これも時間がかかります。
なのでパスポートの顔写真ページには「ふせん」を貼っておきます。そうすれば名前を探す時の時間短縮になります。
外国人が購入する場合、ただでさえ中国人が購入するよりも時間がかかります。なので、一応後ろの人に配慮しているつもりなんですが・・・。
引換に最低限必要なもの
1.予約番号
私の場合万一を考えて、予約情報を紙にプリントしたものも持参します。
実際には「Trip.com」アプリの画面を見せれば大丈夫です。万が一バッテリー切れや、アプリ起動エラーの場合、予約番号だけでも分かれば対応可能だそうです。
こういったことも考え、念のためプリントも持参するのがベター。
2.パスポート
予約時に登録したパスポート。
更新や紛失再発給などでパスポート番号が変わった場合は、事前に相談や変更手続きをしておいたほうがいいと思います。(事前であれば、時間的な余裕もあるし、日本語のカスタマーサービスを使える。)
まとめ
中国の列車チケットは、オンライン「Trip.com」で事前予約すると、受け取り専用窓口でスムーズに引き換えられます。
また、アプリを事前にログインして、画面を見せることによって、係員が迷わずに入力できるので、発券ミスのリスクを減らせます。
アプリが使えないなどのイレギュラーも考え、プリントも用意して来ることをオススメします。
中国の列車で旅してみたいけど、初めてだから勝手が分からなくて心配・・という方の参考になれば幸いです。
突然の質問失礼致します。
Trip.comで中国の鉄道予約を初めてするのですが、
公式サイトの注意書きには、以下のようにありました。
「中国国内で初回列車きっぷを購入される場合は、最寄りの鉄道駅できっぷの予約を行って下さい。お持ちのパスポートが鉄道駅で認証された後、オンラインでも列車きっぷの予約ができるようになります。 」
私は今日本におり、上記の条件を満たすことはできません。
カスタマーサービスに問い合をすると、「認証が出来ないので無理です。」との回答でした。
実際にはいかがなのでしょうか?
コメントありがとうございます。
私がTrip.comに初回登録をしたのが2016年なので、いつの間にか規約が変わったのかと思い、先ほどカスタマーサービスに確認してみました。
結果、初めての方でもサイト上で「パスポートの登録」をしたら問題なく予約可能とのことでした。
「中国国内で初回列車きっぷを購入される場合は、最寄りの鉄道駅できっぷの予約を行って下さい。お持ちのパスポートが鉄道駅で認証された後、オンラインでも列車きっぷの予約ができるようになります」という文面を探してみたところ、どうやら予約した切符を発券した上で、指定場所に配送する場合の事項のようです。
つまり、サイトでパスポートの登録・予約が済んだら、乗車前に中国の駅にてパスポートの本登録・発券という流れになります。
この「中国の駅での発券」という工程を省かなければ、初めての方でも予約可能・・とカスタマーサービスの回答でした。
なので、問題ないとは思いますが、上記を踏まえた上で、念のため再度カスタマーサービスに確認されることをおすすめします。
参考になれば幸いです。