北タイのチェンダオは、チェンマイから1時間半で到着できる森に囲まれた小さな町です。
日帰りや1泊でも気軽に行けるショートトリップの目的地として、自然派のツーリストや都市部に在住のタイ人から人気があります。
そのチェンダオには、山奥にひっそりと佇む「タムパープローン修道院」という仏教の施設があり、タイ人からは仏教の重要施設、外国人からは町の見どころスポットとして多くの参拝者を集めています。
今回は、タムパープローン修道院に再訪したので、写真を添えてご紹介したいと思います。
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タムパープローン修道院は修行僧の登竜門
チェンダオの中心部から約8キロ、有名スポットの洞窟寺院「チェンダオケイブ」を通り越してしばらく進んだところに、修道院の入り口はひっそりと佇んでいます。
宿泊した田園リゾートホテル「アザレアビレッジ」からはクルマで約15分。
駐車場にクルマを停めて、カメラのレンズなど撮影機材を選んでいる私に、こわい嫁さんからの一言。
嫁「何してるのよ、いつまで待たせるつもり・・?」
いつも通りの展開に、同行している友人も苦笑い。
パッセンジャーの嫁さんとは違い、運転手の私は到着してからでないと荷物の整理ができないので、ちょっとは待って欲しかったのですが・・。
敬虔な仏教徒の嫁さんからしたら、修道院に早く行きたくて仕方なかったのでしょう。
この施設は「観光地」ではなく、あくまでも「一般人が入っても良い見どころスポット」なので、とても静かでひっそりしています。
一応ドレスコード(服装規定)があるので、写真を載せておきました。
ガイドブックではダメと書かれていることが多い「サンダル」や「短パン」は、ここでは大丈夫です。ただし肌の露出の多い服や、短いスカートやショートパンツはNG。
そこまで厳しくはありませんが、仏教徒にとっては聖地ですし、修行僧に対する礼儀ということでお守りください。
あとは、静かにする、ポイ捨てしないなど、基本的なマナー(幼稚園の遠足で教わったようなこと)を守れば大丈夫です(笑)
こちらが修道院の入り口。
奥に続く長ーい階段を登って行きます。
頂上までの所要時間は20〜30分くらい。そこまで急段ではありませんし、途中はきちんと整備されていて休憩スペースも多く用意されているので、時間をかけながらゆっくりと進めば年配の方でも大丈夫かと思います。
トイレは念のため済ましてからが良いでしょう。
それではスタート!
こちらの修道院は山の中にあり、ちょうどチェンダオ山(ドイ・チェンダオ)の麓にあたります。
ドイとは、北タイの方言で「山」という意味。
余談ですが、チェンマイ空港をはじめ、北タイ各地にあるコーヒーチェーン店「ドイチャーン・コーヒー」は「チャーン山のコーヒー」という意味ですね。北方少数民族が育てたコーヒー豆を使っているので、興味があれば飲んでみてください。
さて、この修道院は500段以上の階段を越えていくわけですが、写真のように綺麗に整備されています。森に囲まれているので、空気もとても美味しく、街中と比べても涼しいので、散策コースやウォーキングとしてもおすすめ。
岩の上に祀られた小さな仏像。
とても可愛らしいです。
途中にある木には多数の看板が掛けられていて、そのひとつ1つには高僧からのお説教が記されています。
修行僧たちはこれらの言葉を暗記し、それを唱えながら長い階段を毎日清掃しています。朝日が昇る頃には掃除が終わっていなければなりません。
外国人来訪者のために英語も併記されているので、階段を上りながらひとつひとつ声に出して読んでみてはいかがでしょう。
読めない方は、Google翻訳のカメラモードを使えば瞬時に理解できます。
途中にはこのような小屋がいくつか用意されていて、疲れたり足が痛い時に休憩することができます。
たまに休憩中の修行僧と出会うことがあるかもしれませんが、敬意を持って挨拶すれば大丈夫です。ただし女性の方は絶対に僧には触れないでください。握手もNGです。
最後の階段に差し掛かりました。
右側には、修行僧用の食堂があります。またこの付近には僧房がありますが、僧房方面には立ち入ることができません。
ここまでの所要時間はゆっくり歩いて30分程度。
午前中の気温は涼しく22℃くらいだったのですが、すでに汗だくになってしまいました・・。
最上部には高僧の部屋と、お祈りする部屋と寺院が併設されていて、一般者も中に入ることができます。
綺麗なトイレも設置されています。地方の施設にしては立派な設備ですが、お布施を元に建設されたそうです。
毎日の清掃はもちろん修行僧の仕事。
タイにある他の寺院と比較すると、こちらの修行僧はより丁寧な仕事を心がけているように感じます。きっと教えが素晴らしいのでしょう。
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タムパープローン修道院でお参りしましょう
長い階段を登り終えて、ようやく頂上にたどり着くと、岩をくり抜いて作られた部屋が奥に見えてきます。
中を見学することもでき、普通の寺院と同様にお参りをすることができます。
まずは、入り口で靴を脱ぎます。
床の汚れや濡れもあるので、靴下も脱いで裸足になるのが良いでしょう。ウエットティシュを持参すると参拝の後に足を拭けるので便利です。
中では携帯・スマホでの通話は禁止。
静かにしましょうという意味なので、それに類する「配信」や「動画」も、声を出すのはやめたほうが良いでしょう。基準が明確には決まっていませんが、聖地にふさわしい振る舞いをしていれば問題ありません。
写真に関しては現時点では禁止されていないので、自由に撮影できます。
山の岩肌には、高僧の写真がぎっしりと掲げられています。
基本的には一般解放されていますが、たまに修行僧を集めて説教する時に締め切ることもあるそうです。
お参りはこちらで。
お布施は早朝に回収され、僧侶が1名ずつ個別にお祈りしてくれます。
まずは正座して、台に備え付けられている封筒に名前を記入します。タイ語が書ければそのほうが良いですが、ローマ字でも大丈夫です。
横に「JAPANESE」など書いておけば、翌朝僧侶が読み上げる時にイメージしやすいでしょう。
名前を書き終わったら封筒の中にお布施を入れます。
お布施の相場は大体100B〜ですが、あくまでもお気持ちです。ただし、封筒に入れる場合は一般的にコインは失礼に当たるとされるので、ここでは20B紙幣以上にしましょう。
お布施を封筒に入れたら、両手をおでこのあたりで合わせながら目をつぶり、日頃の感謝の言葉を述べます。
その後は、3度ひざまずいて終わりです。
封筒をボックスの中に入れたら、僧侶の写真を1枚持ち帰ります。
この方が、タムパープローン修道院で教えを説いている高僧だそうです。木に掛けられた説教の数々はこの方の言葉ですね。
タイ人は喜んで額に入れて部屋に飾りますが、日本人が持ち帰るには・・どうでしょう。
パワーアイテムなので写真の取り扱いには注意を払わなくてはいけないし、「僧侶の顔と教えは、頭の中に入れました!」という方が多いと思うので、その場合は持ち帰らなくても大丈夫です。
もし持ち帰る場合は、折れないように、なるべく上に置くようにします。仏教関連のもの(仏像や腕に巻く糸など)も一緒に置いて、定期的にグラス1杯の水やお菓子などをお供えすると尚良いでしょう。
タイの寺院では「無病息災・家内安全」といった日本でも一般的なお祈りを捧げてくれますので、帰国後も日々の感謝も忘れずに!
一通り見学が終わったら、元来た道を戻ります。
全ての所要時間は、お参りまで含めて1時間と少し。
開門時間は午前7時ごろから午後6時まで。
目安として朝8時〜16時ごろまでに訪れるのが一般的。その中でも午前中は涼しいので特におすすめです。
お参りの後は、森の中に湧き出る秘湯の「土管温泉」で疲れを癒すのも良いでしょう。
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タムパープローン修道院の場所
まずはGoogleマップをご覧ください。
チェンダオの中心地からの距離は約8キロ。車で20分程度の距離になります。
公共交通機関はありませんので、ソンテウをチャーターするか、レンタカーやバイクなどでアクセスする事になります。
チャーターの相場は回る場所にもよりますが1日1500〜2000B程度です。なので他のスポットも合わせて一気に回るのが一番効率が良いでしょう。
チェンダオに宿泊する方は、宿で自転車を借りて回るのもおすすめです。比較的平坦な道が多く、緑がいっぱいで気持ちが良いのでサイクリングに向いている土地だと言えます。
町内にある観光スポットのほとんどは、自転車でも十分回れる距離にあります。
チェンダオのおすすめスポットはこちらを参考にどうぞ
まとめ
チェンダオのような田舎まで行く日本人は、きっとタイの文化に興味があるようなリピーターが多いでしょうから、タムパープローン修道院でのお参りはきっと満足すると思います。
何と言っても、ここは観光地と違いとても静かなので、喧騒を離れたい方にとってはとても気分の良い場所です。
疲れた心を洗ってくれ、日頃の雑念を払い落としてくれるでしょう。
チェンダオを訪れる際の参考になれば幸いです。
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