タイをはじめとする東南アジアでは、すでにお馴染みの配車アプリ「GRAB TAXI」。
「ぼられない」「小銭がいらない」「安心」と3拍子揃った便利なサービスなのですが、ここ北タイのチェンマイで利用するにはちょっとしたコツと注意点があります。
今回バスターミナルからホテルまで利用しようとしたところ、ちょっとしたハプニングがありまして、もし言葉が通じない旅行者の方だとトラブルに発展しかねないと感じました。
その注意点や理由なども添えてお伝えしたいと思います。
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「GRAB」とは
まずはじめに、「GRAB」を使ったことがない方向けに、簡単にご紹介したいと思います。
東南アジアでタクシーを利用する際に、困ること、不安なことと言えば・・?
1.交渉制のタクシーが多く、メーターがついていても使ってくれない。
2.ぼられる
3.お釣りを返してくれない
など、料金に関する不安や、安全性に関する不安が多いかと思います。
この「GRAB」は、スマホにダウンロードしておけば、好きな時、好きな場所にクルマを配車してくれ、乗車前・乗車中はGPSにより常にマップ表示され、料金は降車後にアプリ内でクレジットカードから引き落としされるという、非常に便利なアプリです。
タイだけでなく、マレーシアやフィリピン、カンボジア、ベトナム、ミャンマーなど東南アジアを中心にサービス展開しているので、渡航予定の方はダウンロードしておくと便利です。
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チェンマイで起こったハプニング
北タイの中心地・チェンマイ。
多くの外国人旅行者が訪れる観光都市でもあり、この「GRAB」も対応エリア内になります。
ここから先は、今回私たちが遭遇したハプニングと、その対処方法についてお話ししたいと思います。
バスターミナルでバスを降りた後、ホテルまで「GRAB」で移動しようと思い、アプリから配車。
その後、運転手さんから、ターミナルに迎えに行けないから、大通りまで出てきて欲しいと電話がかかってきた。
指定された大通りでクルマを見つけ、乗り込もうとしたところ、赤いソンテウの運転手に大声で怒られてしまった。
運転手が怒っていた内容は、「お前GRABだろ!?」「俺たちの客取るな!」といったことで、主にGRABの運転手に向けられた言葉でした。
まず、タイ国内で「GRAB」は、厳密に言うと「微妙」な立ち位置になります。
GRABは、正規のタクシー認可を受けたクルマ(普通のタクシー)と、一般車(GRAB CAR)の2種類があり、一般車(GRAB CAR)の方は法規上ではいわゆる「白タク」扱いとなってしまうのです。
バスターミナルには写真のような張り紙がたくさんありますが、よく見ると「GRAB」自体ではなく「GRAB CAR」(一般車の方)が違法だと訴えかけています。
とは言っても、タイの地方都市に行けば実際は白タクだらけですし、警察の取り締まり対象にもなっていないのです。
なぜチェンマイで「GRAB」だけが問題視されているのか?
答えは簡単、GRABが新しいサービスで、既存のソンテウやタクシーよりも格安だからです。
今までは、チェンマイの旅行者は、ちょっと移動するにも赤いソンテウやトゥクトゥクを交渉しなければなりませんでした。料金はバンコクのメータータクシーと比較すると割高で、最低でも100B〜、ちょっと距離が伸びたり、雨が降ったら300B、400B、500Bとどんどん上がってしまうのがネックでした。
また以前は、バンコクのタクシーと同様ぼったくりも多く、乗客の足元を見る運転手も少なからずいました。
そんなところへ、数年前に明朗会計の配車アプリ「GRAB」が登場し、外国人観光客がどんどんそちらに流れた訳です。
既存の運転手たちは今までのように稼げなくなりました。
この日客待ちしていたソンテウに、ホテルまでの料金を尋ねたら最初「300B」と言われ、そのあと交渉したところ「200B」までは下がりました。
それでもかなり高い(相場は100〜150B)ので、GRABを呼ぼうと思いアプリをチェックしたところ、表示された料金はなんと「88B」!
こんなだから、「GRAB」だけがタクシー・ソンテウの組合に問題視されているのです。
それでも便利で安いから利用者は増える
もう単純に、正規のタクシー(ソンテウ)で割高な料金を払うか、非正規のGRAB CARで良心的な料金を払うか、という2択になってしまいます。
特にGRABに大きな問題がある訳ではありません。さらに警察としても、現時点ではノータッチの(サービス開始からすでに数年経っている)ところを見ると、事実上黙認していることになるので、利用者としては何も問題ありません。
タイの他の地域ではどうか?
GRABはタイの各地でサービスを展開しています。
タイの地方都市はタクシー利権がかなり強いため、他の業者の新規参入を許さない土地もあります。例えば、そのボス的存在とも言えるリゾート地「プーケット」では、GRABの運賃を既存のタクシー運賃とほぼ同額に合わせた上で営業しています。
近距離に限って言えば、1キロ程度の距離がタクシーで100〜200Bくらいのところ、GRABだと280Bもするのでかなり割高になります。それでも「安心」を買いたい人はGRABを使うような棲み分けになっています。
またパタヤでも同様、既存のタクシーやソンテウの利権を脅かさない範囲で料金の折り合いをつけて営業しています。
(それでも、摩擦が全くないとは言えません。)
このように、チェンマイのGRABは既存のタクシーやソンテウよりも安い料金設定なので、現在進行形でもめているところなのです。
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それでもGRABを使いたい時の注意点
私個人の考えとしては「交渉」自体があまり好きではないため、もし同額だったとしてもアプリ上で完結できるGRABを使いたくなってしまいますね!
おそらくそんな旅行者の方も多いのでは・・?
ここから先は、チェンマイでGRABを使いたい時の注意点とコツについてお話ししたいと思います。
1.アプリはこっそり使う
これに尽きます!
スマホを大っぴらに使う必要はないので、なるべくこっそりと配車するようにします。
2.乗るときはスムーズに
クルマが来たら、スマホを何度も照らし合わせたり、スマホの画面を窓越しに見せたりはせずに、まるで友人が迎えに来てくれたようにスムーズに乗車します。
3.赤いソンテウにはなるべく見られないように
GRABドライバーの話では、一番の天敵は「赤いソンテウ」とのことです。なので、なるべく見られないように乗車します。
客待ちソンテウが多い場所に配車したり、ソンテウに客引きされた時「GRAB呼ぶからいい」などと言わないように!
4.要注意スポット
有名観光地(旧市街の大きな寺院前など)、国鉄チェンマイ駅、バスターミナルは特に要注意です。客待ちの赤いソンテウがたむろしているので、そこへの配車は避けましょう。
一本裏道や、構内から少し外に出たところなら大丈夫な場所も多いです。
ただし、これらの事情によって、運転手からピックアップ地点変更の電話がかかってくることがあります。
5.空港は全面禁止
チェンマイ国際空港としては、GRABを排除する立場を取っています。なので、空港に到着後の移動でGRABを使うことはできません。
6.GRAB乗車中に赤いソンテウとトラブルになったら
万が一ソンテウの運転手に何か言われた時は、英語もタイ語もよく分からないふりをして、関わらないようにしましょう。
運転手に助け舟を出そうと思って「No Grab! He is my friend just pick up me」などと言ってしまうと、バレた時「嘘ついてんじゃねーよ」などとトラブルに巻き込まれていく可能性もあります。
逆に、大人しく「Sorry」などと言ってしまうと、タイでは全て認めたことになり、GRAB運転手の立場が悪くなってしまいます。
なので、やり取りは運転手同士に任せて、こちらは言葉が通じないふりをするのが一番です。
参考までに、今回私たちが乗ったGRABの運転手さんは「友人」と言って押し通しました。私の嫁さんがタイ人ですし、私もタイ語を話せるので、特に危ないこともなく1〜2分くらいのやり取りで解放されました。
しかし、乗客が外国人だったとしたら、そういうわけにもいかず・・。対処法は運転手さんがよく分かっているはずなので、万が一そうなったら任せてしまいましょう。
まとめ
GRABはとても使いやすいサービスなので、ぜひとも堂々と使えるようになって欲しいところなのですが、タイは新しいものに対して意外と保守的な部分があるため、まだまだ時間がかかりそうです。(例えばアイコスや電子タバコは未だに持ち込み禁止ですし、ドローンも去年まで個人での所有は禁止されていました。)
今回5日間のチェンマイ滞在で5〜6回利用しましたが、ソンテウに文句を言われたのはバスターミナルから乗車した時1回だけで、街中では何も問題ありませんでした。
なので乗車時に利用者が少しだけ気をつけてあげれば、大きなハプニングは起こらないのではと思います。
また、電話でピックアップ場所の変更を伝えられる可能性もある(カタコトの英語でオーケー、それも旅の楽しみの1つです)ため、上記のことを理解していればお互いスムーズにやり取りできるでしょう。
チェンマイでGRABを利用する予定の方は参考にしていただき、頭の片隅にでも置いておいてもらえたら幸いです。
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