北タイ・チェンライ県の「ゴールデントライアングル」は、タイ・ラオス・ミャンマー3国が国境を接する三角地帯。
目の前に広がる雄大なメコン川を境目に、今立っているところはタイの土、西側にはミャンマーの空、東側にはラオスの風が吹くという場所です。
ここでは、ボートによるツアーを受け付けていて、メコン川を渡ってラオス領に上陸する体験ができます。
今回私たちは、実際にツアーに申し込んで実際にラオス領に渡ってみました。
いったいどんな体験ができるのかをレポートしたいと思います!
今回の記事では、
ボートツアーってどんな内容なの?
費用や時間はどれくらい?
出入国手続きは面倒?
ラオス領では何ができるの?
といった内容についてお話ししたいと思います。
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■目次
ゴールデントライアングル・メコン川ボートツアー
メコン川ボートツアーの内容
ツアーの内容は、タイ領を出港後、ミャンマー領の近くを周回して、ラオス領に上陸。
ラオス領は市場が整備されていて、約40〜60分のフリータイム。
フリータイム終了後にタイ領に帰ってくるという内容になります。
メコン川ボートツアーの費用
一般ツアーは、参加者が全員一緒に乗り込む集合型になります。定員は約20〜30名。ボートには雨よけの屋根がついています。
費用は1名につき300B(約1000円)
こちらが一般ツアーのボート。
貸切ツアーは、小さいエンジン付き木造ボートでメコン川を渡ります。屋根がありませんので、雨が降ったら全部ずぶ濡れになってしまいます。
内容は一般ツアーと同じですが、操縦士と交渉すれば多少のアレンジは可能です。
費用は1隻につき500B(約1750円)〜になります。
こちらが貸切ボート。
定員は3名です。
お勧めはどっち?
今回私たちは「貸切ツアー(500B)」に申し込みました。
おすすめは断然「貸切」です!
理由は5つあります。
1つ目
まず2人以上なら貸切の方が安くなります。一般ツアーだと1名300Bなので、2名で申し込むと600B。対する貸切なら1隻で500Bなので、100Bの差が出るのです。
2つ目
周りに他の人がいないという点。プライベート感が出ていい感じ。
3つ目
申し込んだ時点ですぐ出航できるから。一般ツアーだと時間が決まっているので、出航時刻を待つ必要があります。
4つ目
屋根がないこと!開放感が抜群です。メコンに吹く3国の風と空を全身で感じることができます。ただし雨季は注意。空の雨雲の状態をちゃんと確認してから申し込みましょう。私たちは見事失敗しました・・(笑)
5つ目
小舟でメコン川を渡るということに風情を感じるからです。
今でこそタイ〜ラオス間は各地に「橋」が開通したので、バスや自動車での越境が主流になりましたが、一昔前まではみんな「渡し舟」でメコン川を渡り越境していたのです。
そんな風情を感じながら、隣国に渡る。いいじゃないですか。
なので、実際に参加してみた結果「貸切」をお勧めします。
それでは皆さんもご一緒に出航しましょう!
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まずはツアーに申し込みましょう
ゴールデントライアングルの遊歩道を、メコン川を左手にみながら進んでいくと、ツアーデスクがたくさん並んでいる所に到着します。
大仏さまを過ぎたあたりですね。
どのデスクで申し込んでも、基本的な内容や費用一緒になります。
なので、「すぐ出航できるか」を聞いて申し込めば良いでしょう。
今回私たちが申し込んだのは、このデスク。
理由は特にありませんが、強いて言えば「一番左にあったから」(笑)本当その程度です。
嫁さんと2人だけの「貸切ツアー(500B)」に決めました!
まずは手続きをします。
とは言っても、パスポートを渡すだけで全部書類を作ってくれます。
パスポートのコピーを取り、手際よく書類に記載していくスタッフ。
私たち乗客は、ただ見ているだけでOKです。
書類の内容は「臨時出入国許可証」みたいなものでして、内容は「ツアー利用によって一旦タイを出国するけど、ツアー終了後にすぐに戻ってくるよ」みたいなものです。
これによって、出入国審査は省略されます。
タイの観光ビザなどを持っている人が、リエントリーパーミットを取らずに出国してしまうと、その時点でビザが失効してしまいますが、これならスタンプを押されないので大丈夫です。
逆に「ビザラン」としては使えません。今では厳しくなったので、ビザランする人はほとんどいないのかな?
書類とパスポートを持って、イミグレーションの窓口へ行きます。
ここでパスポートを預け、引換券をもらいます。引換券紛失すると手続きがややこしくなるので注意してくださいね。
手続きをしている間に、貸切ボートの準備をしてくれます。
申し込んでからここまでで約10分程度になります。
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いざ出航!
引換券をもらったら、まずは救命胴衣を選びます。
新旧混ざっているので、なるべく新しそうなやつを選びました(笑)
タイで船に乗るときは、船の大小問わず救命胴衣の着用が義務付けられています。(最近義務付けられました)
階段を降りて、メコン川の川岸に行きます。
しばらくすると小型のボートが1隻近づいてきます。
本当は船の全体写真を撮りたかったのですが、車の中に広角レンズを忘れてきてしまいまして・・。iPhoneは嫁のカバンの中・・。
仕方なく30mmで取ったのがこれ↓
入りきりませんでした(笑)
私たちが乗り込むと、船はすぐに出航します。
まずはミャンマー領方面に進みます。
小さい船ですが、意外とスピードが出ます。川面が波立っていないので、揺れはほとんどありません。
屋根がないので、実に開放的!
空を見上げます。雲が増えてきましたが、まだ大丈夫そう・・。
まさに今、3国の風を全身で感じているんだ〜という旅情に浸っている時に、後ろから「あーーーッ!!」と嫁さんの声が聞こえてきます。
何事かと思って振り向くと・・
嫁「丸いやつ落とした〜」
私「丸いやつ・・?」
嫌な予感がします。
嫁「さっき渡されたカメラにつける丸いやつだよ!」
「・・・」
レンズフィルターですね・・。
NDフィルター(光を調節して、シャッター速度を落とすためのフィルター、いわゆるカメラのサングラス)3枚、15000円分が悠久のメコン川の餌食となりました。
買ったばかりなのに・・。
皆さんはカメラやスマホなどを落とさないように気をつけてくださいね!(現物が回収できないと、携行物保険が効きません。)
レンズフィルターは諦めて(広角用は車の中にあるので、撮影は継続できます!)・・。
気を取り直して、次に行きましょう!
船はメコン川のミャンマー領をくるっと周り、ラオス領へと向かいます。(ミャンマー領には上陸できません。)
ラオス領には、所々に小さな船着場があります。今でも地元民用の渡し舟が使われているのです。
約20分ほどメコン川流域を周遊して、ラオス領の船着場に接岸します。
こちらで入国料を支払います。1名20B。
それでは、さっそくラオス領を散策しましょう!
ラオス領に整備されたマーケットで買い物
船で上陸したのは、メコン川から少し突き出した半島になっている場所「Don Sao島」になります。
ラオスやミャンマー製品を扱うマーケットとして整備されています。
ここでの滞在時間は50分間。
それでは探検してみましょう。
「Don Sao島」市場で売られているもの
ここでは、タイバーツ・ラオスキップ・中国元が使用できます。
商品はタイの市場で売られているものとよく似ています。
しかしタイに長くいる人だと、タイの市場で売られている商品とは少し違うことに気付くと思います。タイで作られたのか、中国で作られたのかの違いです。
また、ラオスやミャンマー独自の製品も売られています。
価格は交渉が必要で、基本的に「高め」です。なので、買い物だけの目的でここに来ることはお勧めしません。
1.タバコとお酒、ブランドの模造品、スピーカーなどの電子機器
基本は中国産のコピー品になります。タイ・ミャンマー国境の「タチレク」市場で扱っている商品とほぼ一緒です。コピータバコや偽造酒は違法ですし、製法に問題があるので非常に健康に悪いです。絶対に買わないように!
電子機器はヘッドホンやスピーカー。すべて中国製で、某有名メーカーのコピー品です。
スマホなどもコピー品。全く使い物になりません。
2.コーヒー・お茶類
ラオス独自のものなら良いですが、海外製(タイやヨーロッパ)のものはニセモノです。
見分け方は、表記がラオス語かどうか。店員さんのセリフは鵜呑みにしないように!
3.ラオスビール
ラオスは意外なことにビールが有名です。
私は飲まないのでよくわかりませんが、ビール好きの嫁さんや友人たちからは非常に評判が良いのです。
飲む人は試してみては・・?販売価格はラオスの市内より高く、1本50B〜です。
4.ラオスの衣類、伝統衣装
タイのものとはデザインや作りが若干異なります。
ビエンチャンなどに行ったことがある人は、女子大生が履いているスカートに気づいた人もいるのでは・・?
それがラオスの伝統衣装になります。ものによって150B〜300B程度です。
また、ラオスのTシャツなどもあります。100B〜。
5.ミャンマー製品
ミャンマー人が顔に塗っている白いやつ、見たことがありますか?
日焼け止めのクリームとしてみんな塗っている「タナカ」という製品がここで購入できます。
熱心に商品説明をするおばちゃんは、ミャンマー領からラオス領に船で国際通勤(笑)
ほっぺたに薄く塗られているやつですね。ものによって40B〜100B程度で購入可能です。
ミャンマー製のマッサージ薬。
タイのものよりも薬効成分が強いとのことです。こちらは1つ50Bを提示されましたが、笑顔で無理やり値切って(相場を知っているので)、3個で100Bで購入しました。
そしてさっそく使ってみました。長距離運転(今回この時点ですでに1500キロ)でパンパンに張った足と、ゴリゴリになった肩。塗ってから少しだけ自分で揉んで、そのまま一晩おいてみました。
すると・・翌朝・・・。
軽い!本当に軽くなった!
こりゃいいや。
なので、ここ「Don Sao市場」をすべて回ってみた結果、価値がある商品はこのマッサージ薬だけです(笑)
「Don Sao市場」でラオス式ヌードルを食べる
残り滞在時間は30分となりました。
せっかくなので、ラオス料理を食べようと思い、飲食店へ・・。
市場の2階には、ラオス料理や中華料理店が何軒か並んでいます。しかしメニューを見ると値段が高い!
思い切り観光価格になっています。
今までの経験上、このような店では味を期待することはできません。
そこで、先ほどマッサージ薬を買った店のミャンマー人おばちゃんに聞いてみると・・
「市場の売り子たちは、みんな1階の中ほどにある安い食堂で食べてるわよ」との情報が・・
教えられた場所に行くと、食堂はすぐに見つかりました!
壁に貼られたメニュー。
麺類の他には、ソムタムやチャーハンなどがあります。
今回私たちは、ラオス式フォーと、ラオス式カオソイをオーダー。
ベトナムのフォーに似ていますね。
米麺です。
ラオス式カオソイは、チェンマイなどのカオソイとは違い、日本で食べる担々麺のような味わい。うまい!!
庶民的な食堂です。
現地の人も利用するので、安くてうまい!上の観光向けレストランよりこっちの方が全然いいですね。
お会計はビールも入れて150B。安心価格です。
そして一つ問題が・・・この時点で、帰りの出航時間を10分も過ぎてしまいました!
急いで船着場に戻ると・・
船おじさんは笑顔で待っていてくれました!
貸切なら多少なら時間を過ぎちゃっても大丈夫です。これが集合ツアーだったら他の参加者から顰蹙を買いますが・・。
タイ領に向けて、私たちを乗せた小船は一直線に進みます。
その途中で、今まで持ちこたえていた空が、ついに力尽きました!雨です。スコールです。
激しい雨に打たれて、10秒としないうちに全身ずぶ濡れ・・そして風が強く吹いてメコンの川面が波立っているので、しぶきがバシャバシャとかかります。カメラはカバンの奥深くに隠したので大丈夫でした。
タイ領に戻ったら、パスポートを忘れずに!
船は10分ほどで、無事にタイ領の船着場へと帰還しました。
途中降り出した雨と、メコン川のしぶきで全身ずぶ濡れのまま階段を登ります。
ここで忘れてはならないのが、出航時に預けたパスポート!
引換券をイミグレーションに持っていくと、このようにビニールに入れて返却してくれました。
雨だからパスポートが濡れないように包んでくれたのでしょうか?
まとめ
ラオス領に一時入国できるメコン川ボートクルーズツアー。
古き良き小舟で風情もあるし、ある程度自由がきくので貸切の方がおすすめです!
対岸の市場で売られているお土産品はちょっと高めで「・・・」なので、買い物だけの目的ではなく、メコンの旅情を楽しむために参加するのが良し。
なんだかんだ言って、結果的に私たちにとっては満足のいくツアーでした!
ゴールデントライアングルに立ち寄ったら、古くからのメコンの人々の往来に思いを馳せながら、ボートツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
ゴールデントライアングルについてはこちらもお読みください。
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